3 単独ターツの理論

3.1 特殊な単独ターツ

パーツ概要で挙げた以外の単独ターツには以下のようなものがある。

三四五五五九九エントツ

3種7枚受け。価値はリャンメンと同程度。リャンメンとの比較はピンフがつけばリャンメン残し、つかないなら変化を重視してエントツ残しもある。エントツが2組になると(二三四四四七八九九九、4種10枚受け)リャンメンを上回る。

二二三三四四五五八八イーペーコー・シャボ

3種6枚受け。七対子の1シャンテンでもあるので、リャンメンとの比較は役と打点次第。二二三三四四五五六六(5種10枚受け)になるとリャンメンを上回る。

3.2 ターツと面子との作用(連続形ターツ)

順子にくっついているターツを連続形ターツと呼ぶ。上位の単独ターツや複合ターツへの変化が増えて価値が上昇する。面子にくっついていなくても面子が近くにあれば、連続形ターツを作る変化が増えるので若干価値が上昇する。ターツと面子との距離が近いほど連続形ターツを作りやすく価値が高くなる。

三四五六七3メンチャン

受け入れ自体も増える。単独ターツの中で最も価値が高い。

ここからは便宜上変化の量でランク分けしていくが、イーペーコーの形になっているものはメンゼンなら他の同位の連続形ターツより優先すればよい(3メンチャンと高めイーペーコー・リャンメン、リャンメンとイーペーコー・カンチャンならそれぞれ前者)。

  • リャンメン
    三四四五六
    三三四四五
    一二三四五
    一二三三四
    一二二三三(連続形ターツだが、普通のリャンメンターツより変化が少ない)
  • カンチャン
    三五六七八
    二四五六七
    三三四五五
    三五五六七
    二四四五六
    二二三四四
    一二三四六
    三五七八九
    ここまで内カンチャン以上
    一二二三四(ペンカンチャン)
    一一二三三
    二四六七八
    一三六七八
    二四七八九
    一三七八九
  • ペンチャン
    一一二二三
    一二四五六
    一二五六七
    一二六七八
    一二七八九

一方、刻子にくっついているカンチャン(一三四四四等)は、リャンメンへの変化が3枚少ない分他の同位のパーツに劣る。1つ離れて刻子がある場合(一三五五五等)は、リャンメン変化がエントツ変化になる(エントツはリャンメンより1枚少ない分微妙に劣る)。

3.3 愚形ターツとトイツ

トイツ数=1の場合。トイツは雀頭扱いなので手をつけない。よって比較するのはトイツ数=2から。

2トイツの場合、トイツを落とすことによる受け入れのロスは2種4枚。愚形ターツを落とすロスと枚数は同じ。よって良形ターツへの変化で決める。

リャンメン(リャンメントイツ)変化は、3〜7トイツ1つにつき2種8枚、2・8トイツ1つにつき1種4枚、1・9字トイツは無し(字牌以外は2種8枚の愚形複合ターツの変化有り)。よって変化の観点からは、字トイツ<1・9トイツ<2・8トイツ<3・7トイツである。例えば三三77とあればリャンメン変化は2+2=4で4種16枚となる。一方内カンチャンはリャンメン変化は2種8枚、外カンチャンは1種4枚、ペンチャンは無し。トイツの方を落とす場合は、リャンメン変化を残すためリャンメン変化が少ない方を雀頭として残す。(このような、トイツ数=1になるとき、変化を残す為に変化の多いトイツから1枚だけ切ることを浮かせ打ちという)

愚形ターツ、トイツ落としどちらの選択もリャンメン変化の枚数が等しいなら、愚形複合ターツへの変化が多い分トイツを残す。基本的に2トイツを維持する方が変化で有利なことが多い。

但し、目先の受け入れよりテンパイに近い段階の受け入れを優先する原則から、面子が少なく、愚形ターツが多い手は、テンパイが入る前に新しくトイツができる可能性が高いので、テンパイに近い段階で2トイツ形になりやすいように、先にリャンメン変化の少ないトイツを落として1トイツにした方がよい。

トイツ数=3の場合、トイツを落とすことによる受け入れのロスは1種2枚。よってリャンメン変化の少ないトイツを、愚形ターツより先に落とす。但し、七対子のシャンテン数が面子手のそれ以下の場合は、七対子のシャンテン数も維持して愚形ターツを落とす。トイツ数が4つ以上の場合も同じ。良形変化に有意差がつく場合(愚形ターツがペンチャンで、3トイツのトイツはいずれも2・8トイツ以上)も愚形ターツを払う。

3.4 ターツとターツとの作用

  • ターツは同色の他の上位ターツによって、受けや変化にフォローができることがある。フォローがあればその分ターツを落とした時のロスが少ないので、強いフォローがあるほどターツの価値は減少する。
  • 受け>変化なので、受けにフォローがある方がより強いフォローである。受けにフォローがある同位パーツ同士の比較は、直接引いた時に価値の高いパーツができる方が優れている。
  • 直接フォローがなくても、変化した時にフォローができるパーツは若干価値が低くなる(例:一二六七一二四を引くと二四六七となり五引きのリャンメン変化にフォローができる)。
  • 一三五七のような、1枚切ると複合ターツができ、面子を逃すロス(一切りの二引きのような)がある愚形ターツについては、現時点では評価が難しい。他のパーツによって価値が変動することも多いので後述。

同位のパーツを価値の低い順に並べる。基本的に受けにフォローがある愚形ターツはそうでないターツより優先的に切る。変化にフォローがある愚形ターツは、フォローの無い下位の愚形ターツよりは残す。リャンメンはフォローがあっても愚形ターツよりは残す。

ペンチャン

  1. 受けにフォローあり
    一二二四
    一二四四
    一二四六一二四四との比較は内カンチャンとトイツの比較に準ずる。他の形でカンチャンとトイツを比較する場合も同じ)
    一二四五
    一二五五
    一二五七
  2. 変化にフォローがある
    一二五六
    一二六六
    一二六八
  3. 変化した時にフォローができる
    一二六七
    一二七七
    一二七九
    一二七八
    一二八八
    一二八九
    一二九九

ここで、ターツ同士の距離が遠いとフォローも弱くなり、距離が等しいならリャンメンの方が愚形よりフォローが弱いという法則がみてとれる。

外カンチャン

  1. 受けにフォローがある
    一三四四
    一三四六
    一一二四
    一三三四
  2. 変化にフォローがある
    一三五六
    一三六六
    一三六八
    一三七七
    一三七九
  3. 変化した時にフォローがある
    一三八八
    一三九九

内カンチャン

  1. 受けにフォローがある
    三五六六
    二二三五
    三五五六
  2. 変化にフォローがある
    三五七八
    三五八八
    三五九九

リャンメン

  1. 受けにフォローがある
    三三四四
    三四四五六六七
    三四六七
    二三三四五七八(打八としても六受けが残る)
    二二三六七九九九が雀頭、打六
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