5 ターツ理論の補足

5.1 雀頭が無い場合のターツ比較

ここからはパーツ比較に入る前にで述べた前提に当てはまらないケースについて述べる。

雀頭が無い場合もターツの優劣自体に変化はない。但し、連続形ターツや連続形ターツを作る変化のあるターツの価値がより高くなる。雀頭有りの場合は複合ターツへの変化の質、量で勝る為に有利だったが、雀頭無しの場合はトイツ含み複合ターツへの変化がそのまま雀頭を作る受けになり、受け入れの観点で有利になるからである。

よって、頭有りの場合は場況から受け入れに差があるとみれば連続形ターツ側を外すこともあるが、頭無しの場合はまず連続形ターツを残す。

5.2 雀頭そばのターツ

トイツ数=1の時の雀頭そばのターツ(トイツ部分が雀頭)について考える。

リャンメン

三四六六

三として五を引いても頭は無くなるが面子ができる(変化)フォローがある。

三四七七

三四と落として五を引いても六引きで頭は無くなるが面子ができる軽いフォローがある。

内カンチャン

三五六六

四引きにフォローはあるが三引きでリャンメントイツ、七引きの変化もある。五六六の形を長く残したいので、他の内カンチャンより残す方がよいとみる。

二二三五

上の形と大体同じ性質。

三五七七

三引きのリャンカン多トイツ変化があるので他の内カンチャンより残す。

外カンチャン

二四五五
一一二四
二四六六

内カンチャンと同様。他の外カンチャンより残す。

ペンチャン

一二四四

三引きにフォロー。

一二五五
一二六六

上の外カンチャンへの変化がある。

但し、雀頭以外全てがターツの場合はすぐ新しい雀頭候補ができるので、一三四四から先に打一とする方がよいとみる。

5.3 関連牌が切れている場合のターツ選択

基本的に切れている枚数の少ない方を残せば良いが、1枚差程度なら変化の多いターツを残す。但し、受け入れが2枚以下になった愚形ターツは待ちが残った時も苦しい(リーチに行きづらい)ので優先的に落とす。

リャンメンターツに関しては片方が全部切れたり、愚形ターツより受け入れが変わらなくなる程極端に切られた場合は愚形ターツより先に落とす。愚形ターツのように“良形“と呼べるリャンメンターツへの変化が無いからである。

受け入れに差がなければ、変化の関連牌の切られ具合にも注意する。これも基本的に枚数で決める。

但し、河は他家の意思が介入するので、見えていない枚数と山に残っていると期待できる枚数とは必ずしも比例しない。その為河次第では見えていない枚数が少ないターツを残すこともあり得る。これについては、“読み“の内容に入ってから取り上げたい。

フリテンターツ(自分の河に関連牌がある場合)

フリテンはテンパイまで残った時に初めてフリテンになり、フリテンになったとしてもリャンメンなら愚形待ちより若干和了率が落ちる程度である。(メンゼンなら必ずツモがつく打点的メリットもある。)

よって、フリテンリャンメンターツは(河に大量に切られて実質愚形化しない限り)愚形ターツより価値が高い。これより、一二七九とあって打一とした後三を引いた場合は打九

複合ターツは最後に待ちとして残った場合に待ち選択ができる。よってフリテン受けがあっても同位の複合ターツとの比較にならない限りは嫌う必要がない。

三四四六二を切っている)からは打六。またこれより、四四六六二を切っている)からは打六三引きも有効牌になる)。

5.4 1シャンテンのターツ選択

基本的にはこれまでのターツ落とし、ターツ固定選択と同様だが異なってくる点も多い。

(役有り)テンパイすれば 他家の捨て牌も有効牌として使えるので他家からの出アガリやすい待ちになるターツの価値が上がる。また、和了までにターツが変化する可能性も減る(メンゼンでリーチを打つ手なら、変化をみるのがテンパイ以前までになるので変化のメリットが更に薄い)。よって、1シャンテンの時は多少の変化より目先の受け入れやテンパイ時の待ちの良さを重視する。

(待ちの良さの観点からの)ターツ選択

23>34>45
35>46
13>24

トイツはリャンメン変化が少ない牌ほど待ちとしては有利。

一二六八 →打八

ペン三のスジ引っ掛け狙いで打八

ターツ固定選択

ターツ固定選択の場合も、待ちになった時に強いターツを優先的に固定する。愚形ターツに固定する選択同士の場合は、リャンカンからスジ引っ掛けの形になるように1枚落とすのが有力。

4枚形

将来の変化をみて単独愚形ターツを先に落とすことも多かったが、1シャンテンでは目先の受け入れの差で常に4枚形を複合ターツ固定する選択でよい。

5枚形

4枚形の価値が減少する分5枚形の価値が上がる。5枚形への変化があるパーツ(一三七七など)は、2シャンテン以上では変化へのフォローがあるので通常の単独ターツより若干価値が低かったが、1シャンテンでは価値が上回る。

変化同士でも、変化量よりも目先に強い変化があることの価値が高くなる。

一二四五六(1)(2) →打一

四七(三次有効牌)からの変化より即三(二次有効牌)引いた時にフリテン3メンチャンが残ることを評価して打一

トイツと他のパーツとの作用

これまでターツ落しとターツ固定について一通り(攻撃力、守備力を考慮するケースとフーロを考慮するケースは分量も多く、理解するために必要な新しい概念も多いので後回し)述べてきたが、トイツと他のパーツとの作用によってできるトイツ同士の優先順位については述べなかった。何故ならこれは、孤立牌と他のパーツのとの作用によってできる孤立牌同士の優先順位と同様なので、後述する孤立牌同士の優先順位の知識が必要だからである。トイツを落としたときにトイツ数≦2の場合は、優先順位の低いトイツを落とし、トイツ数=1の場合は、優先順位の高いトイツから変化を残す為に1枚だけ落とす(浮かせ打ち)。

次回以降、孤立牌の優先順位を詳しく取り上げ、その後、孤立牌とターツ落とし、ターツ固定との比較を行う。

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