デジタルとアナログの融合

今回コラムを担当させていただくネタマです。よろしくお願いします。

与えられた情報から最善の選択を行う…麻雀で勝つ為に必要なことですが、大変難しいことです。

特に厄介なのは、見えない情報を考慮せねばならない場合です。見えない情報を何とかして見える形にしたい。ある程度雀歴を積んだ雀士であれば誰もが望むことです。

そんな願望から、先人達は他家の手牌、山牌、他家の打ち筋といった、見えない情報に対するセオリーを作り出してきました。

見えない情報を考慮せねばならない最たるケースに、七対子で孤立牌の重なりを狙う時が挙げられます。どんな牌が重なりやすいかについては色々言われますが、有名なのが、「七対子の筋は重なる」というセオリーです。重なるということは山に多く残っている、即ち他家の手に使われてないということです。

暗刻の外側であれば、他家が使い辛いのに場に捨てられない→山に残っているという因果関係が成り立ちます。しかし対子の筋で同じことを言うのには無理があります。

ただし、もし対子の筋が重なるようなら、間の両面塔子は順子になり辛くなります。その分他家の面子手がアガリにくくなる→七対子がアガリやすくなるという因果関係なら成り立つと言えます。

ですから、「七対子狙いは筋牌を残す」であればあながち誤りとも言えず、「重なりやすい」というのにもそれによる誤解だったのかもしれません。

しかしこの因果関係は、「風が吹けば桶屋が儲かる」程度のものなので、他に考慮するものが無い場合に用いる程度に留めておくのが無難でしょう。

見えない情報を扱うが故、麻雀界には誤ったセオリーが数多くあります。しかしそれをただオカルトと否定するのではなく、そこから新たに見い出せるものはないかという姿勢も、これからの麻雀戦術論に必要なのではないでしょうか。これがデジタルとアナログの融合です。

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