絞りが有効になるケース

前回述べたように、鳴かれる可能性が高い、あるいはこれ以上鳴かれ易くならない場合は、鳴かれない為に牌を絞る意味も出てきます。

しかしこの場合も、絞りが有利になる局面はそれ程多くはありません。何故なら麻雀は四人で打つもの。絞りによって他家一人の速度を落とせても、相対的に残り二人の速度を上げていることになります。巡目が十分にあれば、結局誰かのテンパイが入ってしまうことが多いものです。なら仕掛けの方が門前より打点が低くなりやすいので、鳴かせつつ自分の手も進めて行く方が、結果的に失点を抑えることにも繋がると言えます。

逆に言えば、高打点確定あるいは濃厚な他家に、テンパイに遠い段階から鳴かせるのは損でしかないので絞りが有効とも言えます。

絞りが有効になりやすいのは、むしろ自分の手牌がそこそこアガれる手になった時です。何故なら、自手の和了率が高い分、鳴かれることによる和了率低下のデメリットの影響を強く受けるからです。

絞ると大幅に受け入れが減る場合は別として、例えば

三四六七八(2)(3)(4)(6)(7)22西中

こんな手牌で、西は2枚切れ、中は生牌であれば、テンパイまで中を絞ることは大いにあります。

ただし、鳴かれやすい牌を手に残すことは放銃のリスクも上がるので、一概にどちらが有利かを決めることはできません。ただ、オーラスが近い段階のラス目や、僅差でトップ争いをしていて下位とは大差の状況では、アガれなければ放銃でもそうでなくてもあまり結果に差が出ないので、絞りが有効になりやすいと言えます。

正しいセオリーをただ知識として覚えるだけでなく、何故そう言われているのかという理由を把握することが大切です。そうすることで、どのような時ならセオリーが成り立つと言えなくなるのか、成り立たないならどう打てばいいかを知ることができ、自分の麻雀により深みを与えることができるでしょう。

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