量より質を優先1

前回は、メンゼンでテンパイしたら多少手変わりがあっても多くの場合は即リーチが有利になると書きました。

しかし誤解してはならないのは、だからといって早いテンパイを目指してひたすら受け入れ枚数重視で打つのが有力になるというわけではないということです。

科学する麻雀」には、「7巡目から見たときは、和了時得点を2倍にするために、5〜6巡遅らせることができ、良形への変化のために3巡遅らせてよい」という記述があります。麻雀牌は34種あるので、5巡遅れは34/5=6.8なので大体7種程度の手変わりに相当します。7種も手変わりがある手はなかなかないので、ほとんどの手はテンパイ即リーチが有利になるのです。

では次のような手はどうでしょうか。

7巡目 ドラ北
四五六六六七七(2)(2)(7)(8)白白白

受け入れが最も広くなるのは打七(7種22枚)ですが、打四(7種20枚)なら一盃口、三暗刻の可能性が残ります。トータルでは打点2倍までは行かないかもしれませんが和了時得点は結構上がります。一方、受け入れ枚数は僅か2枚しか変わらず、平均テンパイ巡目にして1巡未満の差にしかなりません。よって速度と打点のバランスを考えれば打四がはっきり有利と言えます。

今回打点重視の選択が有利になったのは、受け入れと変化ではなく、受け入れ同士、即ち一次有効牌同士での比較であったのが大きな理由です。シャンテン数が変わらなければ、多少受け入れ枚数が減ったところで、平均テンパイ巡目が5巡も遅れるようなことはまずありません。一方、受け入れを狭くすることで、打点が2倍やそれ以上になる受け入れができることは珍しくありません。

よって、受け入れと変化を比較する場合は大概のケースで受け入れ優先でしたが、「受け入れ同士の比較であれば、量より質を優先する」のが有利になりやすいのです。

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