偶然役の存在

麻雀が運ゲーと言われる所以の一つに、偶然役の存在が挙げられます。一発ハイテイホウテイリンシャンカイホウ。役満であれば天和地和がそれにあたります。相手に偶然役のおまけつきで大物手を和了されるとどうしてもいつも以上にげんなりとしてしまうものです。「ネット麻雀は一発が多い。」恐らく最もよく聞かれるネット麻雀に対する非難の声です。

ネット麻雀が特別に一発が多い(もちろん、面子のレベル(例えば天鳳一般卓なら一発率は10%超)に左右されるところもありますが、意図的に一発が多くなるように仕組まれたりしていることはない)というのは、単なる印象の問題、あるいは短期間の偏りに過ぎないということは、賢明な読者の皆様なら既に知っていらっしゃることでしょう。少なくとも、長期で打って結果を残している打ち手に、ネット麻雀は一発が多いというような出まかせを言う人は居ません

参考までに偶然役の出現率

天鳳[特東喰赤 ] / 和了数 230750
一発 7.72871
河底撈魚 0.44897
海底摸月 0.37920
嶺上開花 0.23055

尚、地和は全体で2回、天和は0回でした。

しかし、ハンゲで長期間打って結果を残している打ち手で、「一発率は違和感を感じないがハイテイ率が異常に高い」とよく言っていた人を私は知っています。かくいう私も、ハンゲは何故かリンシャンがえらく多い気がすると思ったことがあります。(ある人がおふざけで(4)(4)(4)(5)の三面待ちから(4)を大ミンカンしてリンシャンで(r5)を引いてきたのを見たことがあります。)もちろん、実はハンゲはハイテイやリンシャン率が意図的に高くなっているなどと主張するつもりは決してありません。ハイテイやリンシャン率だけ意図的に高くなるようなプログラムを組むこと自体非常に不自然です。

では何故このように感じてしまうのでしょうか、それは、一発に比べるとハイテイやリンシャンがつく確率は非常に(ハイテイは1/20未満、リンシャンは1/30未満)低いので、出現率の偏り(分散)も大きくなるので、確率が収束する為に一発の場合より極めて多い試合数が必要となるからなのです。私がリンシャンが多いと感じているのも、(リンシャンの出現率という意味では)単なる短期間の偏りに過ぎないのです。また、出現率がこれだけ低いと、リンシャンやハイテイ率を”少なく”感じることは人間の感性ではまず不可能です(何とも思わない時は話題にならないので、結局語られるのは多いと感じる場合のみである)。一方リーチした時に載る確率が約30%に及ぶ裏ドラであれば、最近裏ドラが載ることが少ないと感じることはよくあることになります。

これが役満となるともっと出現率が減るので、出現率通りに収束するまでに必要な試合数は更に増えます。(天和の出現率は牌の組み合わせから約1/330000であるが、その通りに確率が収束するまでにかかる試合数はあまりに膨大である。)但し、役満がえらく多い気がするという声が聞かれることは一発、ハイテイのそれに比べると非常に少なくなります。これは、極端に低い確率でしか起こらないため、”役満がえらく多い”と感じるような体験をする人自体がほとんどいないこと、役満が極めて低い確率でしか出現しないことは誰もが自覚していることなので、役満が仮に出たとしても”有り得ない”ではなく、”そういうことも時にはある”と割り切りやすいこと、偶然役と違って意思のある手作りをしているのであまりげんなりしないこと等が理由として挙げられるのではないでしょうか。

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