打牌ミスの種類

正着が何かが判ることと、実際に正着が打てることとは雲泥の差があります。これは対局者のミスを指摘できたからといってその人が対局者より実力者であるとは言えるわけではない大きな理由です。大半のアマチュアよりもプロの方が圧倒的に強い将棋界であっても、プロが素人でも指摘できるミスをすることは珍しくありません。また、プロが正着を指した場合も、「ああ、確かにこれが正着だ。」と感じることは、実際ならば正着を指せなかったであろうレベルの観戦者でも難しくありません。プロの的確な解説があれば尚更です。実力差がはっきりと出る将棋であってもこうなのですから、(実際、とある掲示板の将棋関連のスレではプロのミスを指摘して下手だのと叩く書き込みが多く見受けられるが、彼らの棋力がプロに劣ることは言うまでもない)麻雀では言わずもがなです。

打牌選択上のミスには大きく分けて、顕在的なものと潜在的なものがあります。言い換えれば判り易いかどうかです。気をつけなければいけないのは、顕在的であるからといって、潜在的なミスより戦績に悪影響を及ぼしやすいとは限らないということです。(顕在的なものの方が影響を及ぼしやすいものが多く、初心者は顕在的なミスを頻繁に行うのは事実であるが。)ミスとして指摘されるものの大半は顕在的なものです。初心者でなければ、顕在的なミスについては打牌直後、悪くとも後で牌譜を確認すれば気づくものです。もちろん顕在的なミスが少ない打ち手のほうが強いことは間違いありませんが、顕在的なミスを指摘することは極めて容易です。観戦者は顕在的なミスだけを挙げておけば、指摘で”ミス”をすることは(観戦者の実力が余程劣るわけでなければ)まずありません。指摘自体にミスがないのですから、傍目には少なくとも観戦者の方が実力で劣るようには見えません。(仮に顕在的レベルでのミスを観戦者が見落としていたとしても、言うまでもないことなので敢えて指摘しなかったことにしておけばよいだけです。)ですから、顕在的なものばかりで、潜在的な部分(ミスとは言わないまでも、ここは打○という選択肢はなかったか等の)に関する指摘が全く見られない時点で、観戦者のレベルにも怪しいものがあるとみるべきでしょう。

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