魅せる麻雀

顕在的なミス(ここでは、結果的に分かりやすいミスになってしまう場合も含む)だけを避ける為の打ち方

  • 仕掛けは顕在的なミス(有効牌を喰い流して高い手を逃したり、相手の手を進めてしまう。守備力が落ちるのでリーチを掛けられて困ることが多くなる。特に片アガリの仕掛けはアガれない方を引くという非常に顕在的なミスになる可能性があるので極力避ける)につながりやすいのでなるべくメンゼン重視、遅い巡目でのポンテン、チーテンや、仕掛けても満貫以上が見えるような明らかに仕掛けたほうが有利な時だけ仕掛ける。
  • リーチをかけるのは自信のある待ちの時だけにする(中巡のリャンメンリーチの和了率60%、愚形なら40%程度なので、愚形はあがれない(=顕在的ミスとみなされかねない)ことの方が多いので原則リャンメン以上で曲げる)。リーチの結果が放銃となるとミスとして非常に顕在的なので、追っかけリーチをする場合は、これは放銃しても仕方がないと思われるような勝負手、勝負どころの時だけにする。
  • 上記のような打ち方ができるように、テンパイ以前の手作りに関しても良形、高打点重視。いつ誰からリーチがかかっても困らないように安牌を抱えつつ打つのが望ましい。
  • 放銃ほどではないが、鳴かれることもミスとして顕在的。よって生牌の役牌等鳴かれそうな牌は勝負できる手になるまでは絞る。
  • なるだけトップ重視で、オーラスも順位の変わらない和了はあまりしない。(ラス確の可能性がある和了に関しては絶対に避ける。)上の順位を目指す場合も一発や裏ドラといった偶発的要素にはなるだけ頼らないように打つ。(頼った結果捲くれずも顕在的なミスとみなされやすい。)
  • 上記の手作りを心がけていれば、打牌選択に迷うことも少なくなる(絞っている牌、安牌、高打点の可能性が残る牌等、切らないと決めている牌が多くなるので)。これにより打牌選択における顕在的ミスを更に減らすことができる。
  • 顕在的なミスを減らすことで、同卓者(あるいは、勝てる打ち方を知らない観戦者)に負けても下手だと思われることが減る(負けたとしても、鳴かず振らずで手の内を見せなければ、同卓者が実力不足故のミスに気づくことはない)だけでなく、勝ったときには(勝てる打ち方を知らない相手には)いかにも実力があるような印象を与えることができます。まさに魅せる麻雀であるといえるでしょう。

…もちろんこんな打ち方では勝てないことは賢明な読者の方は既に御存知のことでしょう。しかし、どうしても顕在的なものにばかり目を向けてしまうという人間の性質を考えれば、麻雀に関する知識をほとんど待ち合わせていない初心者や、基本的な部分でのミスは少ないので、それが出来ていないレベルの相手には勝てる(特によく打つ相手がその程度のレベルである場合)程度の打ち手が、このような魅せる麻雀を勝てる麻雀だと誤解することは寧ろ必然であるとも言えます。

人が”勝てる”と感じる戦術と、実際に勝てる戦術とはこのような点からどうしても乖離が生じてしまいます。だからこそ、最適戦術の解明の為に統計やシミュレーションを用いることが必要になるのです。

もちろん現時点では麻雀のあらゆる局面における最適な打牌選択を体系的に求めることができるほど研究は進んでおらず、そのような時は直感や経験則に頼らざるを得ません。しかし直感ではどうしてもズレが出てしまうことは示した通りです。ですから私は、打牌選択に迷う局面になった場合は、”多少見栄えが悪いほうが麻雀では勝てる”と考えて、いかにも愚直に見える選択を優先するようにしています。

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