出典:2008年11月1日発売の近代麻雀
東2局 南家 5巡目 ドラ
mixiコミュニティ 【麻雀】何を切る? トピック「本日発売、近代麻雀より」
余剰牌無しの1シャンテンに取らない理由はないので打牌候補は、、のいずれか。この中でまずは除外する。リャンメン確定に受ける打、打でも満貫〜跳満手が見込める以上、残り2枚しかない(ドラ表示牌に1枚ある)引きからの跳満〜倍満の可能性を見て受けを減らす(しかも引き以外の牌姿は他の選択と互角かそれより劣る)のは損である。
残ったのはと。打はドラドラ固定、打としても三色不確定なので、「不確定三色よりドラ」という格言に沿って打が一見有力そうに見える。しかしここで気をつけなければならないのは、これは単にドラドラと不確定三色の比較ではなく、ドラドラ(受け20枚中2枚という低確率でドラ3)とドラ1+高確率でピンフ+半分程度の確率で三色との比較であるということである。ピンフの1翻は通常の1翻より低めとはいえ、前者は平均で2翻ちょっと、後者は平均で2.5翻程度になると考えられる。また、受け入れでも打が3枚多く、仮に最安目のをテンパイに入れなくても1枚少ないに過ぎないので、引きで安手のテンパイになることはデメリットではなく寧ろメリットまである。
ドラのポンテンに取れないという欠点はあるが、メンゼンでも十分広くテンパイに近い手なので仕掛けづらいデメリットは薄いとみる。(仕掛けられるメリットはもっとテンパイに遠い段階でより重視すべき。)
以上の理由から打が正着とみるが、近麻の村上プロは打を主張して実際に後輩が打った打を否定、MIXIの何切るコミュでも打と打が多数を占め打を主張していたのは僅か数名であった。しかしこのことは私にとって出題された時点で予想できていたことであり何も驚くことではなかった。この打は以下の理由から平均レベルの何切るコミュにおいて少数派となりやすい性質を兼ね備えた選択であることを経験から見出していたからである。
この問題と似たような傾向を持つ問題が過去にもあった。
出典:HeartLand版 「真説!何を切る? 2002年12月問題」
南1局 東家 5巡目 26,000点 ドラ
ツモ
上の問題と非常に類似している。比較すると、余剰牌を作らずにドラドラを確定させることができないことから打点でも受け入れでもはっきり打が有利であると言える。だがこの問題は更に、余剰牌が残る1シャンテンに受ける選択肢も多くある(ひたすら良形重視の落しを選択する打ち手も考えられる)ので、上の問題より更に打がマイノリティーになると予想される。実際、全回答者45名中(百分率から構成員は45の倍数であることと、掲示板の書き込み量から推定)打は何とたったの1名である。まさしくこの手のドラ切りは盲点になると言えよう。