打牌選択の手法

和了する為には四面子一雀頭(単に頭とも言う)を構成することになる。(七対子、国士無双、流し満貫を除く。)効率良く四面子一雀頭を構成する為には、手牌を面子や面子候補に一度分けて考えるのが良い。

牌組(手牌パーツ)の分類

手牌は以下に挙げるものの集合体からなる。

(1)面子(メンツ)

順子(シュンツ)
一二三 曲三四五
刻子(コーツ)
(8)(8)(8) 白曲白白
槓子(カンツ)
伏22伏 西西西曲西

(2)(単独)搭子(ターツ)(一手で面子化する)

辺張搭子(ペンチャン・ターツ)
一二
嵌張搭子(カンチャン・ターツ)
(1)(3)(2)(4)のようなリャンメン変化1種のものを外カンチャン(3)(5)(4)(6)のような2種のものを内カンチャンと呼ぶ。
両面搭子(リャンメン・ターツ)
23

(3)対子(トイツ)

四四  東東

雀頭の為に最低一つは必要となる。二つ目以降のトイツはターツとして扱うことができる。

(4)孤立牌(浮き牌)

単独の牌、一手でターツ(トイツ)化、面子化には二手かかる。(二三四五四五五六のように、面子+孤立牌の形も含む。このような形にどのようなものがあるかは後述。)一般的に面子候補と呼ぶ場合には含まれない(ここでも原則そのように用いる)。

(5)複合ターツ

ターツの一種。ターツと孤立牌が複合(面子を含むことも)して、面子化の受け入れが増えた形。一一二辺張対子(ペンチャン・トイツ))、一三三嵌張対子(カンチャン・トイツ))、三三四両面対子(リャンメン・トイツ))、三五七両嵌張(リャンカンチャン))、三三三四四五(リャンメントイツの一種)等、複合ターツには様々なものがあるが詳細は後述。

(6)複合面子(多面張(タメンチャン))

面子と名がついているがターツの一種として扱える。複合ターツとの差異はテンパイ形に成り得、孤立牌を含まないように面子、単独ターツ、トイツに分けることができるという点(三三三四三三トイツ、三四リャンメンのように分けるとして)。

(3)(4)(5)(6)(7)(3)(3)(3)(4)等、複合面子にどのようなものがあるかの詳細は後述。

刻子を含む複合面子は、複合面子としてでなく、刻子+孤立牌(+他の面子)として解釈することも多い(特に雀頭候補が他にある場合)。

ブロック理論

面子及び面子候補及び雀頭の総称を”ブロック”と呼ぶ。麻雀は雀頭を含んだ5ブロックを作るゲームとも言える。面子及び面子候補が4つある場合、面子候補が足りている、3つ以下の場合は面子候補不足と言う。5つ以上存在する場合を面子候補過多(ターツオーバー)と言う。

手牌の分け方が複数考えられる場合もある。これはどちらの解釈をしても良い場合(一三五七九一三五七九一三五七九どちらでも良い)と、形によって解釈が一つに定まるケースに分けられる。((3)(3)(5)(7)は他に雀頭があれば(3)(3)(5)(7)(3)(3)(5)(7)どちらでも良いが、雀頭が無い場合は(3)(3)(5)(7)の形にしかとれない。)

ただ、24562456ではなく24561234512345ではなく12345というように、出来ている順子を分解したり、面子に繋がるターツをわざわざより下位のターツとして解釈したりはしない。

打牌選択のパターン

全ての手牌が上記の集合体によるものであるから、打牌選択のパターンは下に挙げたよう分けることができる。

(1)単独ターツ(トイツ)落とし
(2)孤立牌から1枚切る(刻子を含む複合面子からの切り出しも含む)
(3)複合ターツから1枚外す
(4)面子落とし

和了に向かっている場合は滅多に起こらない、刻子を雀頭に固定する場合や4枚使いからカンせず1枚切る場合、六六七八九から打九とするようなケースもあるが、前者は(2)、後者は(1)として解釈する。この場合の面子落としは、面子一つまるまる落とすつもりで切ることを指す。

打牌比較の多くは、(1)、(2)、(3)同士の比較である。大抵は互いに同様の性質を持つもの同士の比較であるので、手役やドラが(=異なる性質に該当する)絡まなければ部分的に比較することが容易である。

異なる性質を持つもの同士の比較、または一つの複合ターツから1枚外す外し方の候補が複数存在するケースや(4)を選択しうるケースではまた別の基準を設ける必要がある。

当戦術論ではまず同様の性質を持つもの同士の優劣を比較することを行い、次に異なる性質を持つものを比較する為の基準を作ることを試みる。上記のパターンの組み合わせについて一つずつ考察していくことで、全ての手牌における打牌選択の基準を網羅し、回答を与えることができるようになることが期待できる。

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