まずこのことを押さえて下さい。では、どのような場合にダマ(あるいはテンパイ崩し)をすべきでしょうか。
(1)ダマで和了した場合に、リーチして和了した場合と最終的な順位期待値が(ほぼ)同じである場合
例としては以下のような場合が挙げられます。
点棒状況を考慮してリーチ判断を変える場面は、ほぼ南3以降とトビ寸前の相手が居る場合に限られます。(もちろんそうでない場面もありますが、その場合は、以下に述べる点棒状況以外の要素が主因になります。)
(2)ダマでも十分に高い為、リーチによる得点上昇効率が悪い場合
『科学する麻雀』では、リーチが掛けられると3人ともオリてしまう場合は4〜6巡目以降ダマ、2人がオリてしまう場合は7〜9巡目以降ダマと記されています。しかし、実は科学する麻雀のデータは、ダマの場合の和了率が、実戦より有利なものとなっています。理由はデータを取る際に用いられたシミュレーションにおける仮定にあります。
上記の問題点をふまえてデータを出している方々がいらっしゃいるので、そちらを参照させていただきます。
マッタリプログラミング日誌 「良形ダマ立直比較」
このデータと、リーチ時の和了率、和了時平均得点(子のダマ4翻、5翻をリーチした時の和了時平均点はそれぞれ約10,800点、12,800点)とを比較してみます。
先制良形テンパイであれば、12巡目であっても、リーチ和了率は約50%ある一方、ダマにしていても和了率は5%程度しか上昇しません。よって、打点上昇率の方が大きく、リーチで良いことになります。流局間際であればリーチ棒の損失もあるのでやっとダマが良いくらいです。
愚形の場合も、ダマが有利といえる巡目は12巡目以降ぐらいです。(これも流局時のリーチ棒損失の影響が大きい。)ですが、リーチが特に有利となる巡目もないので、良形変化等の手変わりがある場合はダマで良いでしょう。同様の理由から、愚形ダマ5,200点は科学する麻雀では中盤以降はダマと書かれていますが、手変わりがなければ終盤以外はリーチで良いでしょう。
また、上のデータより、和了率は明らかに、リーチ良形>ダマ愚形であるので、科学する麻雀に述べられているダマ愚形≒リーチ良形は誤りです。
しかし、このリーチ判断は、特に状況を考慮しない場合のものなので、実戦ではダマにした方が良い状況もあります。