守備優先のダマテン

失点を気にしてリーチを控えるケース。

先制テンパイであれば、このケースはほとんどありませんが、リーチを掛けないほうが良い場合も確かにあります。良くあるリーチをためらいがちになる場面でリーチをすべきかどうか検討してみます。

オーラストップ目の役なしテンパイ

十分な手変わりがない限り(打点は無視していいので、打点は下がるが役有りへの喰い仕掛けを手変わりに含められる)、即リーで良いです。理由は牌効率論21-1で述べた通りです。

例外:和了連荘のルールで中盤以降、親への放銃だけ避けていれば良い点差の場合
自分が2位と4,100点以上差をつけた親で、テンパイやめなしのルールで、終盤で流局が濃厚な場合(流局時にノーテン宣言することでトップ確定。一人以上ノーテン者がいると判断できるなら3,100点以上差があればいい。ネット雀荘では実際にテンパイを崩さないといけないので注意。)

オーラスで、リーチ棒を出すと順位が降格してしまう役なしテンパイの場合

これも先制なら原則即リーで良いです。僅差の相手に和了されれば逆転されることには変わりませんし、テンパイ料でも捲くられてしまうので、ダマにしていても放銃を回避できない場合がほとんどです。(例外は僅差以外の二者がテンパイして、僅差の相手が明らかにオリている場合。)リーチすれば他家が和了する可能性も減ります。リーチして失敗するケースは、残りの二者同士の脇移動かツモ和了された場合ですが、自分が先制テンパイしているのでその可能性も低いです。

あくまで先制テンパイの話なので、既に僅差以外の相手のテンパイが入っていそう(喰い仕掛けが入っている等)な場合はこの限りではありません。

フリテンの場合

和了率は、フリテンリャンメンリーチ≒愚形リーチ<フリテン3面リーチ<リャンメンリーチ(最近の調べでは、若干愚形リーチの方がフリテンリャンメンより和了率が高いようです)になります。フリテンリーチは必ずツモ和了なので打点面でやや有利になることを考慮すれば、フリテンリャンメンでも愚形とほぼ同等に扱ってリーチするかどうか判断すれば良いでしょう。但し、フリテン愚形は非常に悪い待ちです。

喰い仕掛けの場合なら、和了率はフリテンリャンメン<愚形です。リーチ程相手を降ろしてツモ和了率を高める効果がないからです。(全員ベタオリすればフリテンのデメリットがなくなる。)喰い仕掛けなら打点も変わらないので、フリテンを解消して愚形に受けたほうが良いでしょう。

待ちが非常に悪い場合(字牌待ち等の特に上がり易い待ちでない和了牌2枚以下の場合)

いわゆる超愚形の形です。10巡目であればこのような手でリーチした場合和了率14%程度、放銃率19%程度なので、平場では役無しドラ3のような場合を除きリーチしない方が良いでしょう、一方6巡目程度であれば、放銃率はやはり高いですが、和了率も30%程度あるので、リーチして5,200点以上の手なら即リーで良いです。

ドラ北
五七(1)(1)(2)(2)(3)(3)45699

六2枚切れであれば、四八だけでなく、三五七九9辺りも手変わりに含められます。元の手が悪いので、手変わりの質も量も相対的に増えているといえるのです。よって、中盤過ぎで待ちが非常に悪いテンパイの場合は、手変わりを目指しつつ、うまく変化すればリーチ、そうならなければ形テン本線で行くのが有効でしょう。

中盤過ぎ〜終盤で子で愚形リーチのみをテンパイした場合

親であれば、連荘することによる収入期待値が650点ほど上乗せされることもあり、これまで述べた手変わり待ちの条件を満たしていないのならばまず即リーで良いです。

子の中盤過ぎ以降のリーチのみは微妙です。10巡目愚形リーチの和了率は40%、放銃率は15%、子のリーチのみの平均和了点は約2,500点です。赤3枚入りのルールであれば、平均放銃点は6,000点程度。自分が和了できなかった場合はリーチ棒を損失することまで考慮すると、期待値が+になるかは微妙であり、条件が少し変われば−になることも十分有り得ます。

期待値上では微妙な判断になるので、リーチすべきかどうかは、状況によって判断が変わるケースが多くなると言えます。南場で余裕のあるトップ目で失点回避を優先したい場合や、高打点の可能性のある仕掛けが入っていて既に先制テンパイなのか怪しい場合などは、リーチしない方が良くなりそうです。また、残りツモ3回以下の流局直前の時も、リーチ棒出費が大きいのでリーチは不要です。

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