かつては手役の花形とされたが、現在ではよく、「三色を無理に追わない」「三色よりスピード」と言われる。その為か、無理に三色を狙いすぎる古風な打ち手も、棒テンを重視しすぎる余り狙うべきところで三色を見ない打ち手も数多く見受けられる。(これは三色だけでなく多くの2翻以上の役について同様のことが言える。)どのような手の場合に三色を見るのか、あるいは見切るのか。これまでの牌効率論で述べた内容もふまえつつ解説する。
特にロス無く三色を見ることができるのであればもちろん見る。孤立牌同士の比較、搭子同士の比較をする場合は三色目があるかどうかを確認し見落とさないようにする。
から打かのような面子をスライドさせる場合も、三色目があるかどうか確認する。
→ツモ 打、ツモ 打
を引けば打として456三色狙い。を引けば打として234三色狙い。
→打
リーチピンフと愚形リーチ三色との比較で後者有利なのだから、123三色確定、ピンフ不確定のこの形は落とし有利。(赤ツモ時に三色を残すべく打が有力か。)打点はもちろん、喰い仕掛けも効く(愚形搭子2つの1シャンテンがテンパイするまでに平均17巡かかるので、どうしても高得点が必要な点棒状況で無い限り巡目によらずは鳴く)ので速度面でも遜色ない。
がであれば、今度は三色不確定な一方、ピンフは確定しているので落としが有力。三色狙いは他にドラがなく高得点が必要な点棒状況のときのみで良いとみる。
→打
456三色確定に取れるが三面受けがありリャンメンへの変化も多いので流石に落としが有利か。
このように、三色(2翻役)を確定させる愚形搭子であればリャンメン搭子より基本的に優先する。テンパイに遠い段階であれば仕掛けていけるメリットは大きいので尚更確定している三色を愚形だからという理由で崩すのは損である。
→打
もちろん789の三色目は残して打。ペンチャンを嫌うのは却って遅くなる。
上より、孤立牌が愚形搭子化することで三色確定になる受けは、孤立牌がリャンメン搭子化する(役無し)受けよりも強いことも言える。
→打か打
は引きで確定三色になるのでこの場合はよりも価値が高い。
三色を作るには三面子必要である。よって三色絡み以外に手のかけづらい有力な面子候補が二組できれば孤立牌から作る三色目は見切る。(同様のことは三面子必要なイッツーにも言える。)
→打
にくっつけての三色狙いは崩れやすく、三色に絡まない搭子、どちらにも手がかけづらいので打。今回はシャンテン戻しにはならないが三色は狙わないので、不確定三色を狙う為だけにシャンテンを戻すことはほとんどないと言える。
一方、搭子オーバー形であれば、最も弱い搭子を落としつつ三色目の孤立牌を残してもロスが少ない(喰い仕掛けが利くようになれば速度面で上回ることも)ので三色目を残す余地がある。
→打
確定はしないが三色両天秤に取れるなら両天秤が有力なケースが多い。
→打
打として345と456の三色両天秤。両天秤形は確定していないとはいえどうテンパイしても高め三色となるので、一手で三色が確定する形と同じくらい三色になりやすい。リーチのみの4枚受けよりはこちらを優先したい。これがドラであれば、三色がつく打点上昇のメリットが薄いので打が有力か。
→打
打とすれば456と567の三色両天秤だが、今回は受け入れが大幅に減るのでどうしても高打点が必要でなければお勧めできない。受け入れが広く良形になりやすく、456三色は残る打が有力。
三色関連の何切る問題は実にさまざまなものがあるが、以下の三つを基準に判断すると正着を導きやすい。
上をふまえたうえで例題をいくつか挙げる。
→ドラ0:打、ドラ1:打
三色は不確定(高め二つ条件)で、三色を狙わない打の方が受入れが4枚多い。ドラが1枚でもあれば打だが、ドラ無しなら打か。
→打
三色はかなり不確定(高め三つ条件)。搭子オーバー形を嫌う原則通り落とし。
→打
三色になるには引きが必須のうえ、かなりテンパイチャンスの多い手なので三色にはほとんどならない。手広く打。
→打
567と678三色の両天秤狙いの打はツモ満貫テンパイを逃すロスが痛い。引きで確定する567優先で打。
→打
この段階で三色目の(678、789両方ある)を切ることはない。2シャンテンを維持し2トイツの形を残す打が有力。
→打
まだテンパイには遠いが、この手は手が進むものは全て鳴いてクイタン狙いになるので、メンゼンで567三色をテンパイすることは滅多に無い。よってどうしても高打点が必要で無い限り三色をこの時点で見切る打。