一気通貫

三色同様、孤立牌同士、ターツ同士の比較をする場合はイッツー目を見落とさないようにしたい。これから述べる内容も牌効率論31で述べたことと被るものが多い。

三色同様三面子必要なので、他に有力な面子候補が二組できれば見切る一方、イッツーが確定しているターツは愚形ターツでも優先的に残す。

一二四五六八九(9)(9)45567 →打45

一二五六七八九(9)(9)45567 →打一二

上より孤立牌が愚形ターツ化して確定イッツーになる受けは単純なリャンメン化よりも強い。一四五六八九のような一は勿論、イッツー不確定であってもその一手前の(1)(4)(5)(8)(9)のような形も見落とさないようにしたい。

一二四六七八九(4)(5)35788 →打一

これはイッツー確定形だが一九を落としてタンヤオ確定にできるので打一。三色同様クイタンがある場合は無理に狙わないことが良い場合が多い。

三色とイッツーは同時にできることはないが、一面子は同じ面子を使うことができるので両天秤の形になることも多い。

一二三五七八九(3)123477 →打4

三四五六八八(3)2345678 →打(3)

これは受け入れに大きく差が出るので、”タンピンとイッツーの両天秤”で打(3)

三色かイッツーの分岐点(両天秤に取れない場合)においてどちらを狙うかは、以下を基準にして判断する。融通が効きやすく、タンヤオと複合する三色が一般的に有利になることが多い。

  • 確定しやすさ
  • (確定しやすさが同等の場合)確定しない受けの強さ
  • 他の手役やドラとの絡みによる打点差

例題に関しては Mahjong Walker 「ザ・ベストクエスチョン」の115〜117回を参照されると良い。

第115回より

東場 北家 7巡目 ドラ8
三三七八(2)(3)(5)(6)(7)(8)(9)789 →打(5)の三色狙い

ピンフが確定しているイーシャンテンです。手役は、三色と一通がどちらも狙える手牌です。こういった場合はどちらを狙うのがいいでしょうか。

三色と一通はどちらも2ファン役なので、点数的には差はありません。どちらを狙うかは、どちらの方が出来やすいか、という点に的が絞られます。この手牌から一通を狙うには、七八落としで、ツモ(1)(4)ときた時に限られます。ツモ(4)とくれば、3面張待ちにはなりますが、一通になる上がりは(1)の1種類だけです。先に(1)を引いた時も(4)(7)待ちになり、一通になるのは、(4)の時に限られます。

では、三色狙いならどうでしょう。

(5)(6)を落として、ツモ(1)(4)ならば、六九待ちで、三色になるのは九に限られますが、先にツモ九ときた場合には、三色が確定した(1)(4)待ちのテンパイとなります。一通狙いは、どこから引いても確定しないのに対して、三色には確定形があるので、この手牌からは三色を狙ったほうがお得であるといえるでしょう。

また、三色を狙う際に、打(3)(2)とする手もありますが、(1)(4)(4)(7)では、(7)を手牌で1枚使っている分(1)(4)を残した方が1枚多いのと、Cランク待ちのある(1)(4)の方が待ちとして有利であるためです。更には、打(5)の後、ツモ6ならば、打(9)9)とし、678の三色にずらしていく手順があるのです。そうすれば、ピンフと三色の他にタンヤオも狙うことができるのです。

このように、三色と一通の分岐点であれば、確定形がある方を残した方がお得である、といえるでしょう。

第116回より

東場 西家 8巡目 ドラ九
二三(1)(2)(3)(4)(5)(8)(9)12377 →打(8)(9)の三色狙い

今回も三色と一通の両方が狙えるイーシャンテンです。前回、三色と一通を比較する場合、確定形が残る方を残すのがお得だ、といいましたが、今回の場合は、どうでしょうか。

三色を狙うならば、(8)(9)落としで、ツモ一で三色確定。一通狙いでも、二三落としで、ツモ(7)で、一通が確定します。この手牌であれば、最高の受け入れがきた場合に、打点・待ち共に差はないといえます。こういった場合は、どちらを狙うべきでしょうか。

理想どおりきた場合には、違いがないので、あまり嬉しくないツモの場合を比較してみましょう。

一通を狙った場合、一番嬉しくないツモは、ツモ(3)でしょう。一通が崩れる上に、役無しのペン(7)待ちが残ってしまいます。

それでは三色狙いならどうでしょうか。

三色狙いで、一番嬉しくないツモは、三色の崩れるツモ四でしょう。三色は崩れてしまいますが、ピンフは残ります。つまり、この手牌であれば、三色狙いの方が崩れてしまった時でもピンフの保険がきいている分お得だといえます。

このように、三色と一通の分岐点で、嬉しいツモで差がない場合は、嬉しくないツモでの保険がある方がお得である、といえるでしょう。

第117回より

東場 西家 8巡目 ドラ(3)
二三(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(9)2377 →打(9)の三色狙い

今回も三色と一通が両方狙えるイーシャンテンです。一見して、一通は(8)で完成するので、三色は見落としてしまいそうな手牌です。確定形が見えるのですから、今回は一通狙いでいいと思うかもしれません。しかし、実は今回も三色を狙った方がお得なのです。

一通を狙った場合、二三23のどちらかを落としていくことになります。先に、(8)を引けば、リャンメン待ちが残りますが、リャンメン待ちから引いてしまうと、カン(8)待ちが残ります。

それに対して、三色狙いであれば、打(9)とすると、一四14のどれをツモってきても、高目三色が残る、いわゆる三色の両天秤形になります。一通狙いとは違い、ピンフは確定しますし、四4ツモの場合には、打(1)で、タンピンの三色まで狙えるのです。

一目見ただけでは、見落としそうな三色ですが、こうして比較すると、一通よりもバランスのいい手筋であることがお分かりいただけるでしょう。一通は、常に形が決まっているのに対して、三色は、ずらしていくことができるので、2種類の三色の両天秤といった手順が可能なのです。

このように、形が決まっている一通よりも融通の利きやすい三色の方が手役としては狙いやすい、といえるでしょう。

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