メンゼン手のドラ

役ではないので1翻縛りこそ解消できないが、1枚で1翻という異常なコストパフォーマンスを誇る。打点が不要な局面であれば和了率、守備重視で敢えて早い段階でドラを切ることもあるが、基本的にドラを切る場合というのはテンパイに近い段階でどうしても他の形に手をかけ辛いときである。ドラが貴重であるので、もちろんドラ受けがあるターツやドラそばの孤立牌の価値も高くなる。

ドラの価値はドラが何であるか、手牌の形や手牌に含まれる他のドラや手役(他のドラや手役で既に満貫クラスが見込めれば更にドラを使うメリットは低いし、既にタンヤオが確定している手のヤオ九牌ドラはほぼ不要牌である)で大きく変化する。その為ドラを他のパーツに対してどの程度重要視すればいいかを一般化して説明することは極めて難しい。(切りたい牌をドラにすればそれだけで何切る問題ができるなどと言われることもある。)比較が難しいもの(孤立ドラを残すか複合ターツに手をかけるか等)については後で考察するとして(1〜2シャンテン時の牌効率)、ここでは比較しやすいように次のように条件を定める。

  • 孤立牌なら孤立牌同士というように同じ性質を持つパーツ同士で比較する。
  • 手牌はメンゼンで、他にドラはあっても1枚程度、手役もあってもピンフ程度とする(特にドラが使い辛いわけではなく、麻雀の点数計算が満貫で一度打ち切るシステム故にドラ1枚の打点的価値が特に大きくなる場合)。

面子をスライドさせる場合

ドラが二三四五六とあれば打六とするように、ドラを引いたときに使えるようにスライドさせる。

リャンメンターツ

もちろんドラ含みのリャンメンターツは残す。表ドラは4枚あるが赤は1枚しかないからドラ受けのあるリャンメンも赤受けのあるリャンメンより優先する。

1シャンテンで三四六七(4)(5)とあれば通常二度受けを嫌って三四六七を落とすことになるが、ドラが五で、他にドラが無く役もピンフ程度であればテンパイ時にドラ受けが必ず残り、最高でドラを2枚使える(4)(5)落しという手がある。4枚差と和了時の打点差を考えるとこちらの方が収支期待値で得になると見る。(もう1役あれば二度受けを嫌っても満貫になるケースがままあるので二度受け落しで良い。)

愚形ターツ

1翻差程度ならリャンメン優先なのでリャンメンを落としてまでドラ含み愚形ターツを残すほどではない。(これでもドラが重なるなりドラにくっついてリャンメンができるなりすれば使える。)愚形同士ならもちろんドラ含み、ドラ受けターツは最優先で残す。ターツ同士の比較で述べたような形の差より遥かに1翻差の方が大きい。ドラの二度受けターツも上で述べたことと同様のことが成り立つ。

複合ターツ(から1枚外す場合)

これまで述べてきた複合ターツの外し方の原則に沿いつつ、単独ターツに固定する場合は優先的にドラ含み、ドラ受けターツを固定し、頭固定する場合は優先的にドラトイツを固定する。

孤立牌

孤立ドラが重なってドラトイツが出来ることは、孤立牌からリャンメンターツができることより遥かに強い。もちろんドラ含みのリャンメンターツができることも同様である。この為、リャンメンのできやすさ故に通常ではほぼ逆転が起こりえなかった1・9・字<2・8<3〜7<4連形・中膨れ の関係が、孤立ドラと孤立非ドラとの間では1ランク差が逆転する。

ドラそのものだけでなくドラそばにあたる孤立牌も強くなるが、これは1ランク差を埋めるまでには至らない。(ドラ含みやドラ受け愚形よりはリャンメンの方がいいことから。もちろん、同意の孤立牌同士では特に優先すべき。)ドラそば同士ではもちろんドラに近いほうがドラ含み、ドラ受けターツを作りやすいので、(ドラの2つ隣の孤立牌)<(ドラの隣の孤立牌)である。

ドラを持っていることでドラスジにあたる孤立牌の価値は下がる。二r五とあれば二五とあるよりも二を切った場合の三のフォローが大きいからである。1ランク下がるほどではないが、一五(2)(r5)とあれば打(2)が良くなる程度。リャンカンを作る関係である4つ飛びの場合も、一方がドラならリャンカンが出来るロスが小さくなるので価値が低くなる。一五(1)(r5)からは打(1)

但し、ドラを持っていない場合はドラスジ牌の価値は上がる。ドラが四の場合に一(1)とあれば打(1)一を切るとドラそばの二三の価値が下がってしまうのでドラそばを引いても切られやすくなり、その後更にドラを引いてしまった場合にロスになってしまうからである。細かい差ではあるがドラスジが残ると将来危険だからという理由で先に捨てられがちなので注意したい。

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