フーロ手のドラ

前回はメンゼン時におけるドラの価値についてであったので、今回は仕掛けた場合、あるいは仕掛けることを前提とする場合のドラの価値について。

既に仕掛けていて狙っている手役ではドラが使えないことが確定しているのであればもちろん先にドラを切る。抱えていれば将来危険になるだけだからである。但し、ほぼある手役を狙うことが確定している手であっても、ドラトイツやドラ含みターツができればその手役狙いは見切ってメンゼンリーチや他の手役狙いが本線になることは良くあるので、他により不要な牌があるのに先にドラを切ることはすべきでない。

ドラが使える手役狙いであれば以下に挙げる理由よりメンゼン時より更にドラの価値が高くなる。

  • 仕掛けによってどこで面子構成するかをメンゼン時より比較的コントロールしやすいのでドラが使いやすい。
  • メンゼン時はメンゼンツモ、リーチ、一発、裏ドラが存在するのでそこまで打点を意識しなくてもそこそこ高打点が見込めるが、フーロ時はそれが無いのでドラを使うことによる得点上昇のメリットが相対的に大きい。

役牌×2の2,000点の手にホンイツやドラドラがつけば8,000点となり打点は実に4倍になる。一方、ピンフリーチは額面上は2,000点だが実際はツモ一発裏の影響で和了平均点は3,500点程度になる。仮にこれに三色やドラドラがついてリーチしても和了平均点は9,000点程度なので約2.5倍止まりであり、しかもそのような手にうまく持っていける可能性は前者に比べてかなり低くなる。この差は大きい。メンゼン=勝負手、フーロ=かわし手というイメージからかこの差を意識できていない打ち手は多い。もちろんメンゼンで高く狙っていくべき手もあるし、鳴いて安手で良しとする手も多い。ただ収支期待値という観点から、一般的にフーロ手の方がより手役、ドラを重視するケースが多いことは押さえておきたい。

孤立ドラの価値が特に高くなるのは、役と面子候補が確保できていて、ドラを重ねるかドラ単騎でテンパイまで持ち込める時である。速度、打点共に非常に効率が良い。(特にドラドラ以外に2翻あれば満貫なので尚更。)

ドラ(1)
二三四七(1)(7)(7)(8)4r5北發發

このような手なら下のような満貫テンパイを見てどこから仕掛けていっても良い。守備には難があるがこの手なら他家のリーチに全ツッパでもそう悪くないので速度重視で問題無い。

二三四(1) チー曲三四r五 ポン發發曲發 ポン(7)曲(7)(7) 

ドラ五
r五(2)(3)(3)(6)(8)224889北

こんな手でもクイタン狙いでどんどん仕掛ける。

r五 ポン曲222 ポン88曲8 チー曲(4)(2)(3) チー曲(7)(6)(8)

流石にこれは少しやり過ぎであるが、これでも途中で五を重ねるなりくっつきを見ることもできるし他の色の赤引きで満貫確定になることもある。

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