これまでも何度か2シャンテン戻しをするケースについて挙げてきたが、今回はそれのまとめ。
上記を満たしている場合で、2シャンテンに戻す方が良いパターンを挙げていきます。いずれも平場6巡目西家で、ドラは手牌に関係ないものとします。
1 優良孤立牌(4連形、中膨れ)×2
→打
2 優良孤立牌+打点増加孤立牌型(手役絡みの牌、ドラ)
→落とし(残しで567,678の三色が残る)
→打(残しでタンヤオ)
3 打点増加孤立牌×2(ターツ(トイツ、面子のことも)を一つ落とせば全体役を確定させられる場合)
→落とし
→打
2,3は役を確保することで仕掛けが利くようになり、シャンテン落としによるテンパイ速度のロスを補っているというのも大きいです。
4 1,2,3の例ほど変化が強くないが、愚形ターツにフォローがある場合や、1シャンテンに取るとほぼ愚形安手確定の場合や、超愚形(和了牌2枚以下)になる可能性がある場合
→打
愚形ターツにフォローがあるケースは、他の場合に比べるとやや早い巡目からシャンテンを取る手もある。
→打
2の下の例と異なりすぐタンヤオにならないが、その例よりも悪い1シャンテンなのだからシャンテン戻しをするべき。
(2枚切れ) →打
4枚生きなら打。
5 七対子1シャンテンから手広い面子手や自在に仕掛けられる2シャンテンに移行する場合
6 七対子1シャンテンから鳴いてトイトイ2シャンテン(5トイツ0暗刻の状態からの鳴き)にする場合で、打点面でトイトイが特に有利な場合(七対子だと他にドラや手役が無く、トイトイだと満貫以上が見込めるなど)
トイトイが崩れても高くなる場合は、5の要素も含まれるのでトイトイ有利のケースが増える。(メンホン七対子1シャンテンから鳴いてホンイツトイトイ役牌を狙うなど。)
大まかにまとめると、手がかけづらい孤立牌(もしくは複合ターツ)2組か、1組+普通の孤立牌だが、1シャンテンに取った場合の形がかなり弱いか、テンパイを逃しても手広い1シャンテンになるフォローがある場合に2シャンテン戻しをすることになると言える。
巡目によって若干基準は変動するが、例え最序盤であっても2〜3種程度の手変わりの為に2シャンテン戻しをすることはお勧めできない。ツモ番が精々17〜18回しかない以上、そこまで基準が緩やかになることはないからである。
2シャンテン戻しをした時の変化は豊富だが、1シャンテンに受けても即大物手をテンパイする可能性があるのでテンパイ逃しをした場合のロスも大きい場合。
この場合の判断は難しい。序盤ならシャンテン戻し、中盤(7巡目程度)ならシャンテン取りというところか。他家の進行状況によるところも大きい。
出典:たぬ御殿 「第434回 何を切る?」
東1局 東家 7巡目 原点 ドラ
ツモ →打
序盤なら打だがのロスも大きいのでシャンテンに取る。4連形を残す打よりも、三色目が残り、引きで完全シャンテン、引きでくっつきの非常に広い1シャンテンになる打。
牌効率論はここまで(何かあれば追記するかもしれません)。これまでの内容で平場の他家の明示的な攻撃がない状況における打牌選択についてほぼ対処可能だと思います。
次回以降は牌効率の演習問題(何切る)や、牌効率以外の技術でこれまでに挙げなかった技術について取りあげる予定です。