喰い仕掛けへの対処について手役(仕掛けが利く役)別に解説していきます。
基本的にどの手役狙いであっても、押し引き論22,23で述べた内容が当てはまります。
アリアリルールにおいてクイタンは非常に強い役なので出現率が高いです。序盤からヤオ九牌が多く切っている相手が中張牌を鳴いてきたら多くの場合はこの役を狙っているとみて良いでしょう。赤有りの場合は高打点であるケースも多いですが、赤を誰が持っているかは基本的には読めないので、中盤過ぎに自分から見て赤が1枚も見えていなければ隠れて1枚は持っているのではと注意しておくぐらいで良いです。仕掛けている相手がクイタンならヤオ九牌で振ることはありません。
但し、一見タンヤオの仕掛けに見えて実は違う場合もあります。役牌バックもしくは暗刻からの仕掛けがその最たるものです。このような仕掛けでも、タンヤオであることを否定する切り出しがあって読める場合があります。
安牌として抱えられているケースもあるので必ず成り立つわけではないが、フーロ数が多ければ多いほど可能性が高くなり、2枚以上このような牌がある場合はほぼ確定。
これだけなら片和了になることを覚悟で仕掛けた可能性もあるが、フーロした相手が同色の5を切っている場合はほぼ確定。
これより、自分がクイタン風の仕掛けで役牌バックでテンパイしている場合、と持っているところにを引いたらそのままツモ切る方が良いでしょう。流石に1枚の引きに対処するより待ちが特定されやすくなるデメリットのほうを上と見ます。
タンヤオが否定されるヤオ九牌含みの仕掛けをしてきた場合、仕掛けた相手が役牌をトイツ以上で持っている可能性は高いです。ホンイツやトイトイ、チャンタ等の全体役の可能性がある場合がほとんどですが、そのような全体役の可能性も否定する仕掛けであれば役牌をトイツ以上で持たれている可能性は極めて高いと言えます。( と仕掛けられていれば、他に三色同順、三色同刻の可能性もあるが、面子の構成されやすさが役牌に比べてかなり低い。)
もちろん、他に2枚以上見えている役牌が多くなれば多くなるほど、特定の役牌がトイツ以上で持たれている可能性が高まります。
役牌バックが濃厚な他家に絞るかどうか、役牌バックが他家から明白になる仕掛けをすべきかどうかについては押し引き論1,2の内容を参照下さい。
これらの役絡みで2面子フーロされていれば、残りの一面子に必要な牌で待っている可能性は特に高くなります。他の手役の可能性が否定される場合は尚更です。
他の色の中張牌がバラ切りされていればこの手の可能性が高いです。他の色のドラやリャンメンターツを手出しで切っている場合や、生牌の役牌が少ない場合は、一色手崩れの役牌手のケースが少なくなるので一色手濃厚です。
押し引き論23で述べたように、利用価値が高い牌が切られたらテンパイしている可能性が高いことから、仕掛けている他家から染めている同色の牌が手出しで出てきたらテンパイの可能性が高いです。生牌の役牌も利用価値が高いので、1シャンテン以上である可能性が高くなります。オリる場合は他の色の牌を切れば済みます。
逆に言えば、まだ他の色の数牌が手出しで切られている段階では、まだテンパイしていない可能性大です。この段階でターツや孤立牌へのくっつきを選択をする場合は、将来染めている他家と同じ待ちにならない方が和了り易いので同色の牌を優先的に切るべきです。
これも序盤から中張牌がバラ切りされることが多いです。一色手同様、リャンメンを手出しで切っている場合や生牌の役牌が少ない場合は崩れての役牌手であるケースが少なくなります。
生牌が特に危険になります。(逆に言えば3枚切れの牌では当らないし、2枚切れの牌でもほとんど当らない)役牌や一色手等の他の手役もある場合は、最後に手出しされた牌のソバテンになっている可能性が特に高くなります。
やはり序盤から中張牌がバラ切りされていることが多く、崩れての役牌手であるケースが少なくなる場合も上と同じです。相手の仕掛けがチャンタや純チャンであれば、4・5・6牌は通ることになります。
出現頻度が特に低いので、序盤にその役の可能性がある仕掛けが入っても必要以上に警戒する必要はありません。自分の和了が遠くオリ本線の場合や、中盤以降になって他に通っていない牌が少ないので特に危険となればその役絡みの牌は切らないというように判断すれば良いだけです。
今回述べた内容も一種の”読み”に当ります。読みの技術論の項で、その読みについて詳しく取り上げる。