逆切り1

2面子完全形である可能性が高いと読める切り出しの一つに、「面子構成しやすい牌が先に切られ、面子構成しづらい牌が後に手出しで切られている」というものがあります。

もし2面子余剰牌形であるならば、より良いシャンテン形にする為に面子構成しやすい牌が後に切られるのが普通です。(例外はリャンメンテンパイ確定等の十分形で面子構成しづらい牌を安牌として持っていた場合)これはくっつき形の場合も同じことが言えます。

これらのシャンテン形であった可能性が低くなるので、2面子完全形であった、つまり、面子構成しづらい牌を後まで残していた理由は、その牌がターツ(主に一一二一一三二二三のような団子形ターツ)であった可能性が高いと言えます。

例として、(5)(2)の順番で切ってリーチが掛かった場合を考えてみます。2面子完全形でなかったとしたらどのような場合が挙げられるでしょうか。2面子余剰牌形・くっつき形で(5)より(2)の方が利用価値が高いケースであるとすれば、2絡みの三色やチャンタ狙い、2面子余剰牌形で(2)(3)(3)のような形で持っていて、(1)(4)引きでより手広いヘッドレス形を狙ったケースが考えられます。2面子余剰牌形で(2)(5)が共に不要であったケースは考えづらいです。何故なら、そのような場合であれば1シャンテン以前に(2)(5)から(2)を切るのが普通だからです((2)(3)(4)(5)(5)からの切り出しぐらい)。ヘッドレス形であったとすれば、(2)(2)(2)(5)からの(5)(2)を雀頭としての(2)リーチ、(1)(2)(5)(2)(3)(5))から打(5)(1)(3))引いて(2)リーチが挙げられます。(複数の受け入れの中から(1)(3))を引いたときだけこうなるのでこれもやはりレアケース)他者リーチ後であれば、(5)を切った後リーチが入り、一旦(2)を止めた後テンパイして(2)を勝負するケースもあります。

ここで注目すべきは、上に挙げたようなケースがどれもレアケースであるということです。2面子余剰牌形からヘッドレス形移行狙いのケースはまだ可能性がありますが、2面子完全形であるという事象を否定するために、その事象よりも生起確率が遥かに低い事象(三色、チャンタ狙い、(2)が暗刻である等)を想定する必要が出てくるということは、その事象が本当に起きている可能性が高いと言えます。

2面子余剰牌形であったとすれば、(1)(1)(2)(5)(2)(2)(3)(5)からの切り出しであると分かります。(ツモリ四暗刻狙いの(2)(3)(3)(5)からの切り出しもレアケース)なので(1)(4)、特にどちらでも当たる(1)が危険であることが判ります。

(1)で放銃する確率は、{100-(上に挙げたようなケース)}×{1-(先に面子が完成して(2)が切られたケース(入り目の場合))}で求められます。先に面子が完成する確率は50%と考えられます。上に挙げたケースである確率の厳密な値を求めるのは困難ですが、仮に20%と置くと、(1)で放銃する確率は40%になります。(1)(1)(2)(5)のケースと(2)(2)(3)(5)のケースは(2)(2)(3)(5)のケースが多い(くっつき形や1シャンテン以前の段階なら(1)(1)(2)(5)から(2)が切られる為)ので、(4)で放銃する確率は25%程度というところです。大雑把な計算ではありますが、25%の確率で当たる牌を勝負するとなれば、自分がリャンメンテンパイであったとしても放銃率>和了率となりますので、勝負するのは平場ならリャンメンで満貫クラス以上のテンパイに限られます。

(5)を切った後何かを鳴いて(2)を切った場合の(1)の放銃率は、(テンパイしている確率)×{100-(上に挙げたようなケース)}となるので更に高くなると言えます。

このような、(5)(2)のような切り出しを逆切りと言います。逆切りの場合は、後に切った牌の危険度が高くなると言えます。他のケースでも同様の読みが適応出来ますが、例外のパターンが増えることに留意する必要があります。

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