色読み

今回は、場に高い色、安い色から判断する読みについてです。

場に高いかどうかは、河を見ればすぐに判る(切れれている牌が少ない色ほど高い、一色手狙いがいれば特に顕著になる)ので簡単です。前回述べたような順子のできやすさから読む場合ほどの差は出ませんが、場に高い色ほど牌の組み合わせが多くなるので、他家がそこで面子を作っている可能性が高くなる分、山に残っている枚数は少なくなります。安い色の場合はその逆です。場に安い色は、順子として構成されにくい牌と同様に、山に残っている可能性も高く、他家が面子として使いづらいので出やすくなります(テンパイした時にあがり易い、仕掛けもし易い)。

四四五(4)(4)(5)(8)(8)234789 →マンズ安いなら打四、ピンズ安いなら打(4)

四(4)を切る事になりますが、上記の理由より、場にマンズが安ければ四、ピンズが安ければ(4)を切る方が良くなります。強いターツを固定し、弱いターツを補強するというのが(面子候補が丁度足りている場合の)牌効率の基本でした。この場合は、強いターツというのが場に安い色のターツということになるのです。

参考文献:麻雀戦略調査室 「ツモ山読みの効果 その2

1.序論

前回は普通のリャンメン、8枚待ち>確実に山に残っているカンチャン、4枚待ちという結論を導きました。それでは、「確実に山に残っている」というのは「他家が持っているかも」というのに対してどの程度有利なんでしょうか?

例えば「他家が持ってるかもしれない8枚待ち」より「山に残ってる5枚待ち」の方が有利?
それとも、「山に残ってる6枚待ち」や「山に残ってる7枚待ち」でさえ「他家が持ってるかもしれない8枚待ち」には勝てない?

計算してみましょう。

2.方法

「他家が持っているかもしれないn枚待ち」と「確実に山に残っているn枚待ち」で残り16巡以内に、少なくとも1枚はツモる確率を計算する。但し、1≦n≦8。

3.結果

「他家が持っているかもしれないn枚待ち」と「確実に山に残っているn枚待ち」の残り16巡以内に、少なくとも1枚はツモる確率を計算した結果が図3-1です。計算するときの考え方は「ツモ山読みの効果 その1」と同じです。


図3-1 それぞれの場合での16巡内にツモる確率

図3-1から、例えば「他家が持ってるかもしれない8枚待ち」(71.41%)は「確実に山に残っている5枚待ち」(70.99%)よりは有利ですが、「確実に山に残っている6枚待ち」(77.62%)には負けることがわかります。

同様にして図3-1を見ていくと、以下のことがいえます。

(1)n=6,7,8
 「山にあるn-2枚待ち」>「他家が持っているかもしれないn枚待ち」>「山にあるn-3枚待ち」

(2)n=1,2,3,4,5
 「山にあるn-1枚待ち」>「他家が持っているかもしれないn枚待ち」>「山にあるn-2枚待ち」

(1)、(2)から「ツモ山に確実に残っている」というのは「他家が持っているかもしれない」ときに比べて、待ち牌1、2枚分の効果しかないということがわかります。しかも、待ち牌1、2枚差ではその効果でさえきわめて微小です。また、現実には「ツモ山に残っている」と100%正確に読むことはできません。

例えば、「第1打が9で以降字牌切りが続くとき、8を持っていない」という読みも100%当たるわけではありません。極端な話、図3-2の配牌なら八を持っていても第1打に九を選ぶ人は多いと思います。

ドラ東
六七八九(2)(2)(6)(7)34678北
図3-2 北より九万を切り得る配牌

本来、今回のお話は「第1打が9で以降字牌切りが続くとき、8を持っていない」が成り立つ確率を考慮したうえで、考察しなければいけないのです。この確率を考慮すると、少なくとも「他家が持ってるかもしれない6枚待ち」(60.53%)と「確実に山にある4枚待ち」(62.55%)の関係あたりは逆転するんじゃないでしょうか?

このように「ツモ山にある確実に山にある」という効果は大きくないうえに、「ツモ山にある」という読みの精度がきちんとわかっていないので、牌効率上、ツモ山を気にするのは意味がないと思います。その分のエネルギーをしっかり自分の手牌を把握して打つ方に費やす方がよいと思います。

4.まとめ

(1)n=6,7,8
「山にあるn-2枚待ち」>「他家が持っているかもしれないn枚待ち」>「山にあるn-3枚待ち」

(2)n=1,2,3,4,5
 「山にあるn-1枚待ち」>「他家が持っているかもしれないn枚待ち」>「山にあるn-2枚待ち」

ただし、効果は微小。

ここの検証にあるように、山にあることが相当高い精度で読めたとしても、有効牌が少ない段階であれば、目に見えている枚数差を覆すことは困難です。一方、有効牌が多い(手広い1シャンテン形やテンパイに遠い場合)段階での受け入れ数枚差はそこまで和了率に影響しません。ですから、有効牌が多い段階であれば、受け入れ数枚差よりも場に安い色の待ちになりやすいことを優先することも有り得ます。

六七(3)(4)(5)(6)(7)3334555

条件が無ければ打4がセオリーだが、マンズが高く他の色が安いようであれば六七落としも考えられる。

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