オーラスの心得と戦い方

麻雀の醍醐味は、何といってもオーラス勝負だとネマーは考えております。

25,000点の30,000点返し、ウマ10−30ルールの場合、オーラスで順位を1つ上げることに20,000点分の価値があるのです。トップ逆転なら更にトップ賞20,000点が追加されます。3位から1位なら合計60,000点。順位の変わらない役満(祝儀なしの場合)を上がるよりも価値が高くなるのです。

自分がラス目の場合なら、更に順位が下がることもありません。ですから、もうやむなくラス確してしまった方が期待値が高くなる場面はほとんどありません。(ラス確が批判されるとき、何故かこのような理論的観点から語られることは少なく、自分のトップチャンスがつぶされた等のいらだちからくる感情論に堕する傾向がある。)

他人の迷惑になるからラス確しないのではありません。長い目でみれば自分で自分の首を絞める結果になるからラス確を慎むのです。

ここで気をつけたいのは、逆転のために偶発的事象に頼り、結果逆転できないことになってもそれはそれで構わないということです。

よく、裏ドラに頼るなんて駄目だという人がいます。乗らなくて逆転できなかったら情けないという人もいます。

でも考えてみてください。麻雀は偶発的事象の多いゲームです。手作りにしたって、我々はツモという偶発的事象を頼っているのです。裏や一発だけを特別扱いするのはおかしいのです。裏があるなら当然それを考慮しなければいけません。裏に頼るか、確実に捲くれる手にするか。どっちの方が勝つ確率が高くなるかを比べ、高くなるほうを常に選択すべきなのです。

確実に捲くるには1ハン足りないという場合でも、捲くれるケースは結構あるのです。

捲くれるケース

  • 裏が1枚以上のる 約3割
  • 一発がつく 約1割
  • 直撃なら確実に捲くれる相手からの直撃(デバサイ)
  • カンが入ってドラが乗ったり、テンパネしたりする
  • 他家からリーチ棒が出ることできっちり捲くれるようになる それぞれ少々

というわけで、こんな局面の場合、少なくとも40%、良ければ半分以上の確率で捲くれるのです。

当たり牌を見逃してツモに賭けてうまく積もったり、手変わりを目指してうまく手変わりしてくれる確率が果たして40%以上もあるでしょうか?ほとんどの場合、そんなにないものなのです。

但し、テンパイした時点で偶発的要素に頼らずに逆転できる可能性があるように受けられるなら、待ちが狭くなってもそちらに受けるべきです。(1,000−2,000点ツモか2,600点直撃で捲くれる場合は、リャンメンのリーチのみより役牌と何かのシャボに受けてリーチすべき、500−1,000点ツモか2,600点出上がりで捲くれる場合も同様。)一発か裏の可能性が4割程度、リーチ和了時のツモ率も4割程度である一方、リャンメンをカンチャンにしても和了率が半減しない(2/3程度)ように、受けを狭くして和了率が良形に受けた場合の4割以下になることはほぼないからです。

喰い仕掛けの場合も似たような戦術が使えます。仕掛けても確実に逆転できる手になるならメンゼンより仕掛け優先です。この場合、後付や片あがりのような、かなり強引な仕掛けをしてもOKです。オーラスは順位勝負のために大抵皆が前に向かうので絞られるケースが少ないというのもありますが、鳴けるかどうかも、自身でツモれるかどうかも、どちらにしろ偶発的事象なのです。ならば、うまくいけば労せず勝てる方を選ぶべきなのです。

また、1ハン足りない可能性があるところから喰い仕掛けることも有り得ます。一発や裏こそありませんが、仕掛けの途中で赤や表ドラ、手役がつく牌を引く可能性や直撃、カンで新ドラが増える等があります。

メンゼンで進めた場合。結局テンパイせずに終わるかもしれないと思ったら、このような、見切り発車的な鳴きができるようになると成績向上につながる筈です。

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