アガリトップにおける手作りの技術は、アガリトップ以外の場面でも用いることがあります。
点棒状況判断技術4で述べたように、確実に捲くれる手でなくても偶発的事象によって捲くれることもありますし、それ以前に上位との点差より下位との点差の方が小さければ、逆転するケースより逆転されるケースの方が多くなります。この為、確和了をした方が順位期待値上有利になるケースはしばしば現れます。
「麻雀はトップを取ってなんぼ」という言葉はよく聞かれます。麻雀の多くのルールにはトップ賞があってトップが特に優遇されているので、この言葉には一理あります。しかし、無理にトップ率を上げようとしても収支期待値はそんなに良くならないのです。
一般的な25,000点持ち30,000点返しウマ1−3のルール(順位点45 5 −15 −35)のルールでも、順位率が30%-20%-20%-30%(平均順位2.5)の打ち手と、26%-26%-24%-24%(平均順位2.46)の打ち手との収支が等しくなるのです。平均順位を0.05上げることの方がトップ率を5%高めることより効果的で、しかも容易なのです(トップ率を5%上げることは極めて困難)。収支期待値を上げる為には、無理にトップ狙いに特化することではなくて、少しでも上の順位を目指し、無理そうなら今の順位を維持できれば良しとするように打つことなのです。
※牌効率論の実践編9の4月、12の12月、13の5月辺りの問題が点棒状況判断技術の参考になると思われますので一度目を通して頂けると幸いです。