オーラスの押し引き1

オーラスにおける押し引きについて考えていきます。

もちろん、順位点がどれくらいかで押すか引くかの基準は大きく変わります。ここではルールは一般的な25,000点持ち30,000点返し、ウマ1−3であるものとして進めていきます。この場合順位点は、1位45 2位5 3位−15 4位−35 となります。

自分が現状2位で他家からリーチが入りました。自分が和了すれば必ずトップ、放銃すれば必ずラスになるものとします。 この状況であればどのような手であれば押すべき(あるいは引くべき)でしょうか。

この順位点だと2位からトップで+40、2位からラスで-40になるので、和了>放銃ならまず押すべきと言えます。和了=放銃でも、オリてツモられたり横移動したりした場合に降着するケースがあるので押すべきです。自分が良形テンパイであれば、例え相手の待ちが必ずリャンメンであったとしても和了:放銃=2:1程度と見込めます。自分が愚形テンパイなら1:1です(押し引き論参照)。よって、この状況で自分がテンパイしていたら、余程危険な牌を切らなければならないというのでなければ攻めるべきです。

1シャンテンの場合になると微妙になります。かなり手広い(1巡辺りテンパイ確率が20%程度)の1シャンテンなら和了:放銃=1:1程度が見込めますが、余り広くない(1巡辺りテンパイ確率が10%程度)であれば和了:放銃=1:2程度になってしまいます。狭い1シャンテンであればオリる方が無難と言えます。

被ツモや横移動を考慮することになるとややこしくなります。計算が複雑になるというだけでなく、被ツモや横移動の割合をどの程度と見積もればいいかの判断が難しいからです。判断技術5で取り上げたサイトのツモ率や、『科学する麻雀』に記されている、何人攻めの場合に和了率がどうなるかというデータが参考になると思います。誰が攻め、誰がオリるかの判断は点棒状況や他家の河を元に判断します。安牌を連打している他家はまずオリているでしょうし、無スジを切ってくる他家は攻めていると考えられます。直撃されなければほぼトップの他家はオリるでしょうし、ラス目や振り込んでも降着の可能性が低い他家は攻めてくるでしょう。

様々な要素が絡んでくる実戦では攻守の判断が非常に難しい場合も出てきます。しかしそのような場合でも、まず順位点を考慮し、和了、放銃、被ツモ、横移動によって順位がどう変動するのか、そしてそれぞれの事象はどの程度の確率で起こるのかを見積もったうえで収支期待値を概算し、(攻めた場合の収支期待値)>(オリた場合の収支期待値)であれば攻め、逆ならばオリるというように判断を下すことには変わりありません。これらの判断を他家のテンパイが入った段階から考えていては時間が足りずにミスすることもしばしばありますので、オーラスが始まった時点である程度の目処をつけておくことを推奨します。

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