断ラスの局面

跳満逆転条件

満貫ツモでも捲くれないので跳満以上の手が必要となると逆転はかなり困難になります。赤有りであれば赤無しの時よりもかなり楽になるとはいえ、厳しいことには変わりません。最も出現頻度が高いのは作りやすく赤も使いこなしやすいことからメンタンピンツモドラドラメンピンツモドラ3といった順子手です。ドラが少ない場合はピンフと複合しやすいイーペーコー、三色、イッツーを絡めることを考え、最終的に出上がり満貫止まりの手になったら一発、裏、直撃に期待することになります。仕掛けての跳満ならドラかタンヤオかイッツーを絡めたチンイツホンイツ役牌ドラ3トイトイ役牌ドラ3辺りが比較的に出現しやすいところです。どちらもほぼ不可能だがどうしても跳満以上の手が必要である場合は最後の手段としてリーヅモ七対ドラドラがあります。七対子のみでもツモ裏裏の可能性のほうがドラを2枚引く可能性より高いので山に残っていそうな単騎で即リーチです。

自分より下位の他家がいる中で逆転に跳満以上必要となれば、自分が上位を捲くる可能性よりも捲くられる可能性のほうが圧倒的に高いことがほとんどですから、配牌やツモに相当恵まれなければ無理に狙わずに確和了で良しとすべきです。跳満以上でラス回避の断ラスで、この局で逆転手を作ることがほぼ不可能な場合は、流局罰符や他家の親への放銃で親が連荘しつつ少しでも点差が縮まることを期待して打つことになります。

ラス確和了の判断

跳満ツモでも足りない、あるいはこの局で捲くることがほぼ不可能な手で、この局で終了が確定的(あがりやめありでトップ目が親である等)である場合はどうすれば良いでしょうか。アガっても順位を捲くらなければアガらなかった場合と収支面で何の差もない場合(完全順位制のルールでラス目の場合や、優勝以外に価値の無いルールの大会の最終局等)であれば、極僅かな可能性であっても、その中で逆転できる可能性が最も高くなるように打つべきです。

しかしこれはあくまで、確和了しても和了せずに終了しての収支面が変わらない場合の話です。素点の多寡が収支に影響するのであれば、収支期待値を最大にする選択がラス確であることも有り得ます。特に、祝儀比率が高いルールであれば、一局当たりの収支期待値の比重が大きくなるのでそのケースが増えます。焼き鳥、トビ賞など、順位ウマ以外の追加点があるルールも同様です。

半荘全体における収支期待値は、一局当たりの収支期待値と、順位点を考慮した収支期待値の二つの要素で成り立っていることはこれまで話してきた通りです。トップ目が親のオーラスで、自分がラス回避することがほぼ不可能な断ラス、逆に、自分がオーラスの親で他家全員に3万点以上差を付けた断トツであるような場合、つまり、自分の順位が変動する可能性がほぼ皆無という状況であれば、順位点を考慮する必要性が無くなります。つまり、このような状況になった場合は、一局当たりの収支期待値を最大化するように打てば良いということになります。感覚としては東一局原点での打ち方に近くなります。

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