ルールは基本アリアリ赤3ウマ1−3 書かれていない条件に関しては何切る問題解法論1を参照下さい。
南家 ドラ
(1)1巡目なら何を切るか
(2)10巡目なら何を切るか
【解答と解説】
(1)打
中膨れ×2の良形変化に富む形なのでここは残し、シャンテンを戻す打か打。打は引き、打は引きで差がつきます。
受け入れ枚数は変わりませんが、ピンフが確定する後者が有利です、よって打が正着です。
(2)打
10巡目なので1シャンテンには取ります。そうすると打か打となりますが、打とすれば、引きの時に完全シャンテンに取れるフォローがあります。また、引きなら打としてのリャンメン・カンチャンの形を残せます。よって打が正着です。
打とすれば引きで一盃目が出来る、テンパイ時に赤受けが残る可能性が高いことに言及されている方も居ましたが、赤受けや一盃目自体は打でも残るので、上記のことがメリットになるケースは・引きに比べ極めて低い確率です。
この問題の出処は、『ひと目の定石』という戦術書からです。牌効率論8〜16で述べた、同位のターツ、孤立牌を比較する場合にフォローとコンボを考慮することの演習問題として良く出来ていると思います。この問題を理由も含め正答できれば、フォローとコンボについてマスターしたと言っても良いでしょう。
(1)西家 6巡目 ドラ
(2)西家 6巡目 ドラ
【解答と解説】
(1)打
ターツオーバーの形なので最も弱いターツを払います。は二度受けになっています。がドラですが、を落とせばタンヤオ確定で尚且つ三色も見えるので打点的にもここを払うのが有利です。456だけでなく345の三色も見れるようにから切るのが正着です。
これはモンドであった二階堂亜樹プロの牌姿を少し変えたものです。(実際は ドラ。)実戦で亜樹プロはここから打としました。確かに打とすればのフォローもあるのでロスが全くありません。しかし、かなり手広い2シャンテン(ここが重要、受け入れ枚数の価値は受け入れ自体が広くなればなるほど相対的に低くなる)における受け入れ枚数を4枚増やして打点面で大きく劣る選択をするのは疑問手と言わざるを得ません。
※モンドの何周年記念かの時にこの時の対局が取り上げられ亜樹プロは、今ではスピードだけでなく手役も見るのでを打ちますと語っていました。一度間違えたので別の打牌を答えたらまた間違っていたとは滑稽な話です。
(2)打
(1)の解説を見れば答えはおのずと判ります。今度は打が正着です。同様の問題が某所で出題された時は打という回答が非常に多かったです。やはりリャンメンに手をかける選択は盲点になりがちのようです。
今回の何切るは牌効率論18で述べたターツオーバー理論に関する問題です。一般的な何切るコミュにおける正答率が比較的低く、尚且つ戦績には結構影響を与える技術なので是非ともマスターしておきたいところです。
オーラス 北家 3巡目 ドラ
東家 13,000点 南家 38,000点 西家 20,000点 北家 29,000点
【解答と解説】
打
現在2着目で、トップを捲くる条件は満貫ツモか跳満出アガリか5,200点直撃です。3着に捲くられる条件も同等で、ラス目の親に捲くられる可能性もありますが、3巡目で捲くれるだけの十分な手材料が揃った2シャンテンであれば、自分が捲くれる可能性のほうが高いでしょう。よって、この時点では逆転の可能性が最も高くなるように打ちます。直ツモ条件なら、タンヤオドラかドラドラ、メンタンピン三色(345か567)ドラになれば確定(三色だけなら直ツモか一発裏条件)します。
リャンメンターツかつドラなので少し切りづらいですが、打とするのが最も逆転の可能性の高い選択です。他の打牌候補と比較してみます。(結構ややこしいので実際に牌姿を書いたうえで比較することをお勧めします。)
確かに打の場合は良形変化や更にドラを引く変化もありますが、ダイレクトの受けの強さで有意差がついている以上、有利不利が覆るほどではないでしょう。同様にして打より打が良いことも言えます。
打と答えた方が多かったですが、その理由はいずれも2確を考えた場合に仕掛けて行きやすいからというものでした。確かに2確を考えた場合も有利ですが、実は逆転することのみを考えた場合でも打が有利であり、2確のしやすさより寧ろこちらの方が理由として重要なのです。これについて言及された人がいなかったのは残念です。もちろん手が進まなければ2確も考えるところですが、この巡目でこれだけの手材料を貰ったのならばなるべく逆転手に仕上げることを目指すべきではないでしょうか。
参考文献:「氷室さんのmixi日記」
オーラスで、Aに受ければ確定捲くりだが、待ちが悪形。Bに受ければツモ直条件でないと捲くれないが、待ちは良形。(直で足る相手は1人)このような時は確定捲くりのAに受けるのが基本。
順目も待ちも良く、見逃す余裕がある時は別だが・・・実質見逃す選択が取れないような時は特にだ。Bに受けると捲くり確率が、実質半減するのに対してAに受けても半減はしないからだ。
単純な良形ー悪形の和了率の差しか考えて無いので、上の理屈はさすがに暴論。(例外も、無視できないぐらいある)でも、B受けだと・・・比較的多くの状況で捲くり確率が低下するのはわかると思う。
ただ、これはその捲くりに拘るべき状況の時の話ではある。つまり下位が接戦など、必ずしも捲くりに拘らなくてもいい状況。また、Bの和了易さに対してAの和了易さが圧倒的に劣るような状況ならば、その限りではない。
手作りに関しても、似た事が言える。可能な限り、確定捲くりを目指して手を作るべき。最も凸講座に書いてあるように、ほとんど和了を潰すような無茶苦茶な手作りまではしなくても良いと思われるが・・・まあ、ここらへんはそれこそ場況や手牌。もっと言うとそいつの感性次第なんで、バランスとセンスの問題。そこを突っ込んで書くのは中々難しい。(大損大得の差ならともかく、小損小得の差の判断は難しい。)
南家 6巡目 ドラ
【解答と解説】
打
これもターツオーバーの形です。打とすると引きの場合に受けが無くなってしまいます。受けが残せるとはいえ、赤は1枚しか無い以上こちらのデメリットの方が多いでしょう。
その為、打としたくなりますが、よく見てみましょう。打としても受けは残せます。そして、を引けば234、345の三色が狙えるようになるのです。リャンカンを真ん中から落とすことになるので盲点になりがちです。
出題元は2008年 10月号の『GAME JAPAN』の小林プロの講座から、小林プロ曰く、「生涯最高の何切る」とのことです。
南1局 西家 5巡目 ドラ 21,000点 ラス目
【解答と解説】
打
を使っているのでくっつきは余り多くありませんが、にくっつけば仕掛けても満貫になること(打点が上がり、速度もそこまで落ちない)、引きはツモれば三暗刻がついて満貫になるとはいえ赤を2枚切って出アガリ2,600点の愚形テンパイになることから打とします。以下引きは打ダマ(ダマでもツモ跳満)で・引きはリャンメンリーチ、以外のマンズくっつきは落とし、縦引きはもちろんトイツ手狙いです。・引きならダマで四暗変化狙い、・・引きは四暗刻1シャンテンに取りますが、ポンしても最低満貫あるのでポンテンに取ります。
・を引いた場合が非常に迷います。今これを書いている時点でも考えがまとまりません。よってこれは次回以降の何切るで取り扱おうと思います。
出題元は近代麻雀の村上プロのコラムから、八王子の雀荘チャイナで実際に村上プロが遭遇して手牌だそうです(よって赤に5,000点相当の祝儀(鳴いても可)がついてますが、祝儀有りなら回答がほぼだけになると思ったので、祝儀無しとして出題しました)。村上プロはここで何ととして2シャンテンに戻しました。確かに1シャンテンに復活する牌は多いのですが、流石に即・ツモが痛すぎるでしょう。実戦では裏目のツモの後更にまで引いてしまい、四暗刻単騎のアガリを逃してしまったそうです。を落とすのはにくっついてからで良かった筈です。いきなりを落とすのは手順前後です。
余談になりますが、例えば打としてこのように手が進んで四暗刻単騎のテンパイになった場合、河に手出しで と並べることになります。手出しでドラを三連打、傍から見れば実に奇妙な切り出しです。これだけなら、国士やピンズ一色手に決め打ったケースも考えられますが、この手であればそれまでは不要な孤立牌を切り出して手なりに進めていることが多いでしょう。それまでに切った牌を と仮に置きます。
河 ドラ (全て手出しとする)
そうすると国士やチャンタ、ピンズ染めの可能性も消えることになります。七対子であれば孤立ドラは残すはずなのでその線もありません。もちろん普通の面子手であることもまずないでしょう。普通の面子手でも一色手でもなく、国士、チャンタ、七対子でもない。そうです、このように可能性を一つずつ消去していくと、残る可能性が四暗狙い一点に絞られるのです。とドラドラのカンチャンを外している以上、最低でも安牌を手の内に残した1シャンテン、打でテンパイしている可能性も十分にあるでしょう。(でテンパイならば、三暗テンパイから四暗刻に移行したケースが考えられ、ソバの、が本命になります。(実際に単騎でテンパイ。)極めてレアなケースですが、覚えておくとひょっとしたら役に立つかもしれません。
西家 5巡目 ドラ
【解答と解説】
打
確定形なら打点の高いイッツー優先。・引きでタンヤオ三色に移行できるようから。
この問題は近代麻雀に福地先生(天鳳ID:bakase)が連載されていた、『頭のいい人、悪い人の麻雀』で取り挙げられた牌姿です。先生の主張は落としのタンヤオ狙い。理由として、ピンズが伸びた場合に仕掛けやすい、クイタン狙いのほうがリーチに対応しやすい、イッツー狙いならがカンされるとそれまでだがをカンされてもまだ対応できるなどが挙げられていました。一方、イッツー狙いのメリットと言えば目先の打点だけです。このように色々挙げられると、いかにもタンヤオ狙いのほうが有利であるように錯覚してしまいがちです。
しかし、打牌を比較する際に必要なのは、何が比較する上で核心となるかを見極めることでした。この手は現時点での受け入れや仕掛けやすさ(目先のスピード)は変わりません。ならば、目先のスピードと同等に比較するうえで重要となる、目先の打点差をまず重視すべきではないでしょうか。そうです、先生がやっていることはまさに、単に比較要素を列挙するという、麻雀においては誤打をおこしかねない行為、議論で言えば誤った主張をいかにも正しいように装う論法なのです。リーチに対応しやすい云々はまだしも、イッツー狙いはをカンされたらそれまでに至っては最早冗談としか思えません。タンヤオ狙いならあがれてたがイッツー狙いならカンされてあがれなかったり、タンヤオ狙いでカンされたけどあがれたのようなレアケースが一体どの程度起こるというのでしょうか。
但し、タンヤオ狙いでもリーチすれば最低5,200点は望めることや、引きでメンタンピンになる一方、イッツー狙いの場合にを引くとピンフはつくがイッツーが崩れる可能性が出てくることから、打点面でそんなに差がつくわけではありません。(タンヤオ狙いが有利になることもある。)もしドラがなら目先の打点差もほとんどなくなるので、柔軟性重視で落としが有利になると思われます。もし落としの有効性を主張したいのであれば、柔軟性どうこうよりまずそこのことについて触れるべきでだったはずです。誤差要因を列挙して(優劣に明確な差があるにも関わらず)比較できないと主張する、あるいは自分の主張をいかにも正しいように見せる手法は、まさに”頭の悪い人”のやり口です。頭が悪いのは、一体どこの誰でしょうか。
南家 5巡目 ドラ
(1)下家から白が出た場合鳴くかどうか、鳴くとしたら何を切るか
(2)アガリトップの場合はどうするか
【解答と解説】
(1)ポンして打
七対子1シャンテンですが。ポンしてトイトイで5,200点、ホンイツに渡った場合、ドラを使うかホンイツトイトイに発展すれば満貫になりますし、比較的仕掛けやすいトイツが多いです。単にトイトイで5,200点になるだけなら七対子の1シャンテンから鳴いて2シャンテンにはしませんが、ホンイツへの渡りがあることと仕掛けやすさから仕掛けたほうが有利とみます。(トイトイで8,000点、七対子なら他に役無しドラ無しならこの変化が無くても仕掛けることが多いです。)元の問題はドラがでした。これなら流石に打点差が大きいのでスルーすべきですね。
(2)ポンして打
上がりトップなら仮にドラがでも鳴きますが、鳴いて何を切るかが実は結構難しいところです。多くの人は鳴いて打としての形を残すのではないかと思います。
但し、この形はポンして打としてもの受けが残ります。なので直接の受け入れはポンの2枚分(どこからも鳴けるとするなら8枚相当)有利です。
しかし、を先に引くか鳴くなりした場合は、打とした場合は余剰牌が生まれてしまいの受け(上家から鳴けるとすれば8枚相当)が無くなります。打とした形がターツオーバーだからです。
テンパイに近い段階での受け入れを優先するという原則に従えば、これだけなら打が良さそうです。ただ、この牌姿はもう一つ比較すべき要素が存在します。それは・・・を先に引いた場合です。打として・引きの場合は打として余剰牌の無い形に受けられますので打とした場合の形より良くなります。
(打)
(打)
直接の受け入れは同じですが前者はマンズが好形になる変化が豊富で食い伸ばしもできます。打とした場合もの形にすれば可能ですが引きのテンパイ形が劣る、先にテンパイが入ってからの変化は見込めないという差があります。引きの時程ではありませんが、引きの場合でもとなって・引きの好形変化があります。
まとめると
テンパイに近い段階での受け入れを重視することは比較のうえで特に優先されるべきことです。なので、単に比較要素を列挙して打有利と主張するつもりはありません(実際、この優劣はかなり微妙であると思います)し、何切るの解説の上で最もやってはいけない行為の一つと認識しております。しかし、1シャンテン時の受けで差がつくのがツモチーだけであるなら、一旦は受けMAXだが余剰牌の出る形に受けつつ、・・・ツモで余剰牌の出ないより良い形への変化を狙う(そのように変化する可能性がツモチーの可能性より実際高い)方が良いのではないでしょうか。
オーラス
点差
東家 -12,300点
南家 -4,000点
西家 -7,700点
北家(自家)
5巡目 ドラ
ツモ
(1)何を切るか、テンパイに取る場合はリーチするかどうか
(2)(1)でリーチして、9巡目に親からが出た場合アガるかどうか。
完全順位制で、順位点は3−1−-1−-3とします。
【解答と解説】
(1)打リーチ
高目でメンタンピンの3,900点の手なので、安目であったり出場所が悪くて裏も乗らずだとラス確和了になる可能性もあります。しかし、仮に手代わりを待つとすると打か打になりますが、「−の7枚が親以外から出るかツモる」確率の方が愚形待ちの和了率よりも高くなります。故に、ラス回避条件がはっきり良くなるといえるのは、打なら・ツモ、打に至ってはツモだけです。2種以下の手変わりを待てる巡目は存在しません。
(2)アガる
裏が乗れば満貫直撃でトップになれますが、乗らないとラスのままになってしまいます。この手で裏が乗る確率は約3割なので、倒した場合に期待できる順位点期待値は、3×0.3-3×0.7=-1.2となります。
一方、見逃して−をツモ(ツモで倒すと乗って3位乗ってラスなのでここでが出て倒すよりはっきり順位点期待値が悪い)った場合、裏が乗れば2位乗らなければ3位、万一の裏裏(3%程度)なので、順位点期待値は3×0.03+1×0.27-1×0.7=-0.34となります。
上がれない場合はほぼラスのままです。(横移動でラス回避できることもあるかもしれませんが、横移動でラス回避の可能性があるようなテンパイを仮に誰かがしているようであれば、見逃した後自分が和了できる確率は大幅に減少するのでより条件が悪くなります。見逃しが最も有利になるケースは、残りの三人が全員オリる場合です。)では、見逃した後−をツモれる確率をpとおくと、pがいくつ以上の時に見逃しの方が有利になるのか計算してみます。和了した場合の期待値が-0.34、和了できなかった場合は-3ですので、-0.34p-3(1-p)>-1.2。これを解くと p>0.67669…となります。
9巡目のツモ専リャンメンリーチが7割近くも和了できる豪運の持ち主であれば、雀荘の勝ち分で食っていくことなど実に容易いことでしょうw(出上がりが利くリャンメンリーチですら9巡目なら60%もありません)。
ラス確問題というのはとかく荒れるもので、今回の問題も例に漏れずコミュニティの方が荒れたようです。(文体を見れば一発で判りますが、暴れている約一名はこの前の日記で登場した人と同一人物です。)
典型事例:mixiコミュニティ 【麻雀】何を切る? トピック「アガラスorトップ」
頭のおかしな人は仕方が無いとして、今回の論争の中で義務教育を受けている人間であれば誰でもできるほど簡単な計算(点棒状況判断技術の項でも書きましたが、このような条件がついた場合の対処についてあらかじめ上記のような計算をしておけば目安として役に立つと思います。もちろん、ルールによって順位点は変わりますのでそこは注意して下さい)すらやろうとする人が誰も現れなかったは実に遺憾に思います。
東1局 北家 配牌 ドラ
【解答と解説】
打
メンゼンでの和了は厳しい手です。厳しい理由は、横への伸びに乏しいトイツを3種抱えている為、3シャンテンとはいえ極めて受け入れが狭いからです。しかも、もしメンゼンでテンパイできたとしても愚形安手が濃厚です。一方見方を変えれば、この手はにくっつくか字牌を重ねるかすればホンイツの面子候補が4つ揃うことになります。仕掛けが利くようになれば伸びの乏しさも解消できますし、何よりうまくいけば大物手になる可能性も出てきます。
よってこの手は、牌効率論35の例外になりますが、マンズの面子を外せばすぐに一色手に決め打ちできる条件を満たし、打点も大きく差がつくので面子を落とします。からなのは引きのチャンタと七対子、トイトイになった場合の引きを見てです。・・はブラフも兼ねて今からでも仕掛けます。仕掛けていく途中で更に字牌が重なれば混老・ホンイツ・トイトイの12,000点コース。更にドラを引いて16,000点が理想です。たまにバカホンの2,600点になることもありますがそれはそれで良しです。尚、東風戦のオーラスアガリトップである等打点が不要な場合は、メンゼンではやはり苦しいので役牌の重なりを見て打とします。
このように、ヤオ九牌のトイツか刻子が2〜3種+生きている孤立ヤオ九牌数種(もしくは同色牌か字牌トイツ2〜3種+生きている孤立同色牌か字牌数種)あって、メンゼンの和了が厳しい場合は、このような仕掛け(ブラフは副次的なもので、あくまで主眼はアガリにあります)も有効です。
参考事例:「まったり麻雀」デュプリケートモードにおけるCPUとの結果比較
【問題5】の続き
南1局 西家 6巡目 ドラ 持ち点 21,000点 (一発裏赤に5,000点相当の祝儀有り。赤は鳴いても祝儀有り。)
【解答と解説】
打
打、打もあり非常に迷うところです。ドラ表示牌のカンが残っても三色や三暗刻がつけばダマでもツモって跳満になります。但しここを外せば良形確定で、メンゼンなら最低でも5,200点と赤1枚は確保されます。良形リーチなら一発率やツモ率も増え、祝儀はツモった場合は3倍になるので、5,200〜8,000点の良形リーチ>ドラ表示牌のカンチャン待ち8,000〜12,000点と見ます。三面+リャンメンならメンゼンでテンパイできる可能性が高いので仕掛けたときに安くなるデメリットも薄いでしょう。祝儀5,000点相当なので、ツモのテンパイよりツモでテンパイするほうが嬉しいので表ドラから切ります。
日本プロ麻雀連盟の問題から2006年12月の『何を切る?』
競技ルール(一発裏無し)
東南戦
東1局 0本場 西家 8巡目 ドラ
ツモ
東家 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
南家 | |||||||||
西家 | |||||||||
北家 |
(場況やルールの詳細については上のURL及び連盟のHP参照)
【解答と解説】
打
ターツオーバー形なので弱い単独ターツを落とします。を切っても受けのフォローがあるのでここが形として一番弱いです。よって打とします。
これはタイトル戦で実際に出現した牌姿で、打ち手のプロは打としてマンズを−−のリャンメン・カンチャンに固定したそうですが、牌効率論18で述べたように、ターツオーバーの場合は複合ターツに固定するより先に弱い単独ターツを落とすべきです。また打は引きで1シャンテンにならず、七対子の可能性も消えます。打とするくらいなら打の方がいいでしょう。
打としてを引くとドラが出て行く可能性もあります。また、引きでタンヤオが崩れます。しかし、他の何を切っても”高目になる受け”が増えるわけでは無い以上、これらの受けを否定するのは、単に損な安目拒否に相当します。プロであれば敢えて安目を拒否して高目追求をする”魅せる麻雀”を打つべきであると主張する人もいます。そのような麻雀観を否定するつもりはありませんが、今回はそもそも高目追求をするにしても打が優れているのです。この後ツモに非常に恵まれているのであれば、
ツモ
ツモ
ツモ
このようなダマで倍満の手に仕上がることもあります。打や拒否の打、あるいは仕掛けを拒否する打ではいずれかの可能性が消えることになるので、高目追求という観点からもあまり有効とは言えません。
”魅せる麻雀”を打つにしても、敢えて安目を拒否した方が良いことはほとんどありませんし、”勝つ麻雀”を打つにしても、序盤でテンパイに遠い段階でわざわざ大物手になる可能性を消すことは、オーラストップ目等打点が不要なケースでなければほとんどありません。”魅せる麻雀”を打とうとしても配牌やツモに恵まれなければなかなかうまくいきませんし、”勝つ麻雀”を打つことが結果的に”魅せる麻雀”につながることもあります。大物に仕上がるのが理想だが仕掛けてのタンヤオドラドラでも良しとする打はまさにそのような打牌と言えます。夢を見ることも必要だがどこかで妥協することはもっと必要、”まぁじゃんは人生”なのです。
東1局 0本場 東家 6巡目 ドラ
【解答と解説】
打
からの発展形である、の強力な複合ターツがポイントです。打として余剰牌無しの2面子形(以下牌効率論の表記に従い(2)と表記)すれば、の8種26枚でテンパイし、いずれもピンフがつきます。しかし、テンパイチャンスはくっつきの1シャン(以下牌効率論の表記に従い(4)と表記)にうける打(打との差はタンヤオのつきやすさ)が多く、良形になるテンパイだけでもと8種25枚で1枚しか変わらず、三面待ちになる可能性もあります。今回は、メンタンピン345三色の可能性の高い打を正解としましたが、三色がない形であれば打が正解です。また、打として(4)の形にする手もあります。この場合はの9種26枚でテンパイしいずれも良形です。打より全体の受け入れで劣り、三色が消え、ピンフにもなりづらくなるのでこの形では打の下位互換ですが、これがであれば打が有利です。(良形テンパイが打と同等で打より勝り、3メンチャンやイーペーコーやタンヤオの可能性で打に勝る。(2)と(4)との比較ではほぼ(4)を選択するが、強い複合ターツや複合面子があり、打点でも差がつく場合は(2)を選択するケースが出てくるという牌効率論54、55関連の問題でした。
東場 東家 1巡目 ドラ
【解答と解説】
打
面子が1つもない3シャンテンで愚形も多いです。故に、メンゼンでは厳しいと言えるでしょう。よって手役を考慮しつつ手を進めます。イッツー、ピンズ染め、456三色、ダブ東あたりです。は重なれば高打点ですし、切っても大して早くならないのでもちろん残します。そうすると最も不要なのはソーズのペンチャンということになります。この段階ではどの手役の可能性も消えない・のみチーします。手役の確定度が低い段階ではなるだけ両天秤で進め、どれかの確定度が高くなれば、その手役ができた場合に有利なように手を進めるという具合です。とはどっちが先でもほとんど同じです。即引きでも456三色があるのでフリテンリャンメンに受けないこと、あまり良くない手なので内側から切って手が整っていると相手に見られた方がわずかながら有利であることから打としました。
東2局 東家 3巡目 赤無し ドラ
ツモ
【解答と解説】
打
今度は2シャンテンです。メンゼンもそれほど難しくはありません。ドラのをどの段階でリリースするかがポイントとなります。
この段階で切る手もありますが、既に高打点が確定しているわけでも、1シャンテンになった場合の受け入れの差が大きくつくわけでもないので、のくっつきよりは重なった場合に仕掛けられることもあるので役牌ドラを残すほうが有利とみます。が客風ならここで切りそうです。
この後、・・引きならば、が被るよりもはっきり痛い(メンゼンで5,200点〜のテンパイ1種もしくはリャンメン2,000点〜のテンパイ複数)受けがあるのですからを切るべきです。他家の明示的攻撃がある場合はもちろん別ですが、そうでなければ、ドラ字牌が被るより痛い受けがあるならドラ切り、そうでないならドラを抱えるという判断で構いません。引きは微妙ですが親ということもありドラ切り。打あたりでも良いでしょう。引きは裏目でも手広くなることを考えて打、愚形リーのみ確定の1シャンは流石に取らずにツモ切りというところでしょうか。ドラをリリースしても十分な受けが多くあることから、何としても高くしようとする打や打としてまでドラには固執しません。
日本麻雀機構 「第3回何切る」 プロの回答はこのようになっています。切りはひとり麻雀と言われているようですが、どちらかというと何としてでも高くしようとする打あたりの方がひとり麻雀という表現がふさわしい気がします。必ず18回ツモがあってノーテンバップがない。被ツモによる失点を考えないでいいことから、一人麻雀練習機ではどちらかというと打点重視の打ち方が有利になるようです(もっとも、シャンテン戻しの変化については考慮できない為シャンテン戻しの評価自体は悪く計算されるようですが)。何としても高くしたいと考える人はひとり麻雀をやっている人。高打点の可能性が十分あるのにあっさり見切る人はひとり麻雀ができていない人。他家の仕掛けに手が遠いところから甘い牌を鳴かせてしまう人は四人麻雀ができていない人、テンパイまでドラを切るつもりはないと手を狭めてまで絞る人は四人麻雀をしているつもりになっている人というところでしょうか。
南家 7巡目 ドラ
出題元は2008年10月15日号の近代麻雀
【解答と解説】
打
一応1シャンテンですが、マンズの強い複合ターツ&孤立ドラ&愚形ターツにフォローがある(例えば打としての・引きはテンパイ逃しになるが非常に広いくっつきの1シャンテンになる)ので2シャンテンに戻します。とするとソーズを切ることになります。候補はのどれかでしょう。(近代麻雀によると、A型が、B型が、O型が、AB型がだそうです。残念ながら私はA型なのでこの分析は大外れだったようですw)
まずですが、これは今までも挙げてきた、”単純に損な安目拒否”です。確かにタンヤオは確定しますが、この時点で受けを拒否する理由がありません。ピンズやマンズが伸びて1シャンテンになった場合ものリャンカンが残り愚形になりやすくなってしまいます。
との差は、マンズピンズ引きは同じ形になるので、ソーズ引きの差になります。単純な孤立牌同士としての比較で事足ります。前者は中膨れの、後者は単独のなので前者有利ということです。打なら引き打で567三色目もある手広い1シャンテンになります。しかし三色は手広い1シャンテンのなかからピンポイントに・を引かなければ成立しないのでかなり不確定です。一方打としての引きなら打で、手広さは同じでイーペーコーが確定します。後者が有利なのは言うまでもありません。
ソーズをリャンメン・カンチャンの複合ターツに受けるとの差は、マンズピンズを引いて1シャンになった場合の差です。(ソーズ引きでも現時点の受けより良い1シャンテンになるのが打は−−、打は−−−と打が1枚多いがこれは大差無し。)ピンズ(ここではとする)を引くと
打 打として5種19枚のテンパイ、引きでタンピン高め三色
打 打として7種22枚のテンパイ、タンヤオ確定
高め三色になる可能性は低い以上、後者が勝ると言えます。
マンズ引きの場合も、打の場合は2面子形余剰牌無しの1シャンテン()になる一方、打であればくっつき形の1シャンテン()になるので手広さで大きく後者が勝ります。
1シャンテン時の手広さを優先するという原則、567三色にはほとんどならないので打点差はほぼないということから、打がベストな打牌と言えるのではないでしょうか。
東場 東家 4巡目 ドラ
【解答と解説】
打
完全シャンテンにとるということ。不確定三色よりタンヤオやイーペー目を優先したほうが満貫手になりやすいので受け入れ枚数が同じ打(打より広いと勘違いしやすい)より打が優れているということがその理由。
東1南家7巡目 ドラ
【解答と解説】
打
ドラを切ればテンパイですがペンののみ手になってしまいます。手変わりの質、量が大して良くないのであれば愚形リーのみもやむなしですが、ドラにくっつけるだけで打点上昇で、更なる大物手への変化も期待できるこの牌姿では流石に勿体無いです。
この手は123の三色同順も見えますが、三色には同刻の方もあります。同順は−引きが必須、2の三色同刻はパーツ自体は既に揃っていて三暗刻までついてくる。どちらが有利かは明白です。そこで打とする手があります。これならアガリ逃しの引きでも高めツモ倍満(リーヅモ三暗三色ドラドラ)の3メンチャンになりますし、ドラ引きでもペンのダマ跳、引きならダマ満テンパイで四暗への手変わりもあります。上家からのはチーして一旦片アガリの跳満に受け、上がり易そうな単騎に受けられるようならドラ切りで単騎の満貫テンパイで良いでしょう。
他の関連牌を引いてきたときの挙動が難しいです。引きはフリテン−を残す打(フリテンが残っても三暗三色確定なので悪くない)、引きはカン、引きもカン、引きはドラ1にはなったので少し惜しいですがリーチといったところでしょうか。即テンパイの手変わりは5種しかないのでイマイチですが、流石に打点上昇具合が大きいので十分でしょう。
このような場合に手変わりを待つ場合は、くっつきの1シャンテンの形に戻すのが基本です。手変わりが待てるほど手広い1シャンテンはほぼこの形に限られるからです。この理屈からすると変化を待つならピンズに手をかける(打・打・カン)ことになります。しかし今回は、くっつきに受けた場合の孤立牌2種のうちの一方(もう一方はドラ)へのくっつきがほとんどありませんし、三色同刻にもなりづらくなってしまいます。(確定するのが1枚のみ、はドラ表示に1枚あるのでない。)かといってテンパイに取ってもイマイチです。その為、例外的に2面子余剰牌無しの形に受ける打が有力になるのです。このタイプは今までに見たことがありません。極めて珍しいパターンでしょう。
MJ4×Ameba 「AmebaCUP」への道 「MJ4麻雀力判定」の問題A第一問
東3局 南家 5巡目 ドラ 持ち点 9,000点 (20,000点点持ち東風戦)
【解答と解説】
打
引きでイッツー、引きで三面、引きで三色目ができるので、このは相当強い孤立牌なので残します。となると3トイツをほぐす原則から打ですね。点棒沈んでいるので尚更打点重視ですが東1でもこれです。というかアガリトップでも(仕掛け考慮で)これです。
無理矢理三択に分けた為で本当はそう切らないのかもしれませんがプロが誰も選んでませんw。ラス親の連荘にかけるという主張がみられますがそんなに簡単に連荘できるなら苦労しませんw。連荘できるメリットを高く見積もり過ぎです。テンパイに遠い段階でとりあえず手なりで打って近い段階で下手にこねくり回す、プロ(笑)らしい麻雀といえるでしょう。