打牌ミスの対策法2

どのようなミスが顕在的(潜在的)であるか

押し引き判断

明らかにオリるべき手(非テンパイかつテンパイしても安手愚形濃厚)でオリなかったり、ベタオリの手順を間違えて放銃といったミスが顕在的なミスになります。このようなミスは初心者レベルを脱却する頃には自然と少なくなりますし、仮にミスしたとしてもすぐミスと気付けるようになります。放銃による失点という非常に顕在的な形でミスが結果に反映されるからです。

しかし、非常に顕在的な形で表れるが故、正着でも結果的に放銃したから失敗という誤解もまた起きやすいものです。オリるべき手であり、尚且つ正しい手順でオリたのであれば結果オリ打ちになっても気にするべきではありませんし、安手テンパイから危険牌を通すことは、何となく通っていそうな程度の牌を切って回すより余程正着である可能性が高いです(前者の方が結果論的な意味でのミスになる可能性が高いのも判断を誤りがちになる要因)。更に、押し引き判断の段階で間違っていると、それ以前の手組みやリーチ、鳴き判断における潜在的なミスも増えます。やたらと鳴かれることのロスを嫌がる打ち手は、特定他家一人に対して絞ることで残りの他家二人は有利になるという潜在的なロスを、オリる分には困らないノーテンを他家から攻撃された場合の守備に難があるテンパイより上とみる打ち手は、和了することによる失点回避という潜在的なメリットを軽視しているのです。

点棒状況判断技術

多くの麻雀ルールにおいて順位点は無視して考えることができない程収支に大きな影響を与えます。結果が即最終的な順位に影響するオーラス、しかも押し引きの段階であれば尚更です。しかし、重要な技術にも関わらず、このことについて具体的かつ的確に触れている戦術書は非常に少ない(『科学する麻雀』くらい)です。運不運で収支に大きく偏りが生じる部分なので結果論が蔓延しやすいということ、判断がルールに依存するところが非常に大きく、しかも順位点の比率はルールによって様々(順位点の比率を変えるだけで無数にルールを設定できる)であることが原因でしょう。

よって、オーラス付近での押し引きに関しては、予め打つルールに応じて簡単で良いので判断基準を作っておくべきです。局辺りの押し引き判断の知識と簡単な期待値計算ができる能力があれば難しくはありません。ルールが違うのに同じように押し引き判断をしていては、潜在的なミスを積み重ねてしまうことになります。

点棒状況を考慮した手組みに関しても、潜在的なミスをしやすいところです。完全順位制におけるラス確というのは、およそ最も顕在的なミスです。その為、放銃=失敗という誤解が起きやすいのと同様、順位の変わらない和了=失敗という誤解もまた起きやすいのです。

読みの技術

不確定要素を考慮するものである為、どこまで行っても潜在的な部分です。その為、潜在的にミスをしていることも、正解をミスだと誤解することも多くあるでしょう。鳴き判断と同様にミスかどうか判断し難いところです。(相手によるところも大きいので牌理的なアプローチにも統計的なアプローチにも限界がある。)戦績に与える影響が比較的小さいのが幸いです。当戦術論でも読みに関しては試行錯誤といったところで、具体的なアドバイスをすることは難しいところですが、一つ言えることは、読みを入れるべき局面(確定要素だけでは優劣が微妙な局面や、読みの技術論で挙げたような確定度の高い読みができる場合)を見誤らないようにするということです。そうでない場面で下手に読もうとすると、他の技術に関する潜在的なミスを積み重ねる恐れがあるからです。

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