デジタルへの道2

デジタル派たる為には、自分の打牌に対して、その打牌1つに決定できるだけの十分な説明ができるようになることが必要であることは前回述べた通りです。しかしこれは、その牌姿から何を切るかを解説する分には十分ですが、打牌基準を体系化するうえでは実は不十分なのです。

十分なのに不十分であるとはややこしい表現ですが、どういうことなのか具体例を一つ挙げて説明します。

二三三三(4)(5)(5)(6)(7)44556

麻雀について基本的な知識を持ち合わせていれば、ノータイムで二に手がかかると思います。その理由を説明せよと言われたら、(良形の)テンパイ・チャンス最大で、タンヤオが確定する。と答える人が多いのではないでしょうか。確かにこの説明によって打牌候補は二一択になります。

しかし、仮にマンズが三四四四だったとします。今度は既にタンヤオが確定していますが、やはり同様に三を切ることになります。つまり、タンヤオが確定するという理由は、確かに切りが有利である根拠にはなりますが、必要ではないのです。

「AならばB」が成り立つ時、その対偶にあたる、「BでないならAでない」も成り立つことになります。Aの部分に色々と理由を挙げて打Bと主張してある解説をよく見かけますが、これは、Aの部分で挙げた理由のうち一つでも欠けていれば打B以外の候補が選択されるものでなければ、厳密に言えば誤りなのです。A(打Bとするだけの必要十分な理由)なのでB、C(必要ではないが打Bが有利になるような理由)でもあるので尚更。とすれば大丈夫です。

どこまでが必要十分なのかを判断するのは場合によってはかなり困難で、判断できたとししても解説がややこしくなることも多いので、そこまで厳密に説明しなくても構いません。但し、打牌選択を体系化するうえでは、どこまでが打Bとするだけの必要十分な理由なのか、言い換えれば、(他の打牌でなく)、打Bを選択する核心は何なのかを理解しておく必要があります。

この為には、まず打Bが正着になるような何切る問題を一つ用意し、そこから打B以外の選択が徐々に有利になっていくように各条件を少しづつ変え、どのあたりが打B以外の選択になる分岐点なのかを検討する方法があります。今後何切る問題を目にしたときは、少し牌姿や状況を変えたらどうなるかを意識して考えてみると面白いのではないでしょうか。このようにして打牌選択を体系化していくことは、単に何切る問題を解いた場合より何倍も効果的な勉強になります。

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