孤立牌と単独ターツ

麻雀では毎巡、手牌のうちで最も不要と思われる牌を切ることになる。そこで、最も不要な牌が何かを判断する為に、今回から、ターツや孤立牌内の優先順位を考察する。ここでの順位の基準は、メンゼンにおける四面子一雀頭の構成しやすさである。よって、特に断りがなければ鳴かない前提であり、打点に関しては差がないものとする。

パーツ同士の比較

任意の牌をn枚引けばテンパイする状態のことをnシャンテンと呼ぶ。どんな手牌でも孤立牌を最高で6つトイツにすれば七対子のテンパイになるので、nの最大値は6である。(面子手としてのシャンテン数だけみれば最大値は8、国士無双だけに限定すれば最大値は13。)和了する為にはテンパイしていなければならず、テンパイする為には1シャンテンになっていなければならないように、シャンテン数を下げることは特に重要なので、シャンテン数が下がる場合は原則そのようにするべきである。 

シャンテンを数を下げる手を大別すると以下の3つに分けられる(面子手の場合、以後特に断りがなければシャンテン数は面子手に関するものとする)。

(1)孤立牌からターツを作る(面子候補不足の場合)
(2)ターツから面子を作る
(3)孤立牌から雀頭を作る(二つ目以降の頭については(1)と同様)

逆にシャンテン数を上げる行為(シャンテン戻し)になるのが、

(1)面子候補不足の場合に(単独)ターツを落とす
(2)面子を落とす(ターツが足りていて雀頭が他に無い形の場合に一一二三から二を落として一を雀頭とする場合は除く。)
(3)唯一の頭を落とす

三四四のような複合ターツは、他に頭がなければ複合ターツとしてみなせないので、ターツオーバーでない場合に三四四(1)(1)から(1)を切ってもシャンテン戻しになる。これは頭は残るので、行為としては(1)に相当する。 逆に、他に雀頭が無くても、頭を固定すると面子及び面子候補が減る形の場合はシャンテン戻しにはならない。

例:一一二三 →打一
三四四2345(2)(3)(4)(5)(9)(9)(9) →打四

より強いターツを作るために上記の(1)を選択することはままあるが、(2)(3)の選択をすることはほとんどなく(そこを落とせば新たに手役ができる場合ぐらい)、原則損な選択である。頭は面子よりでき易いので、頭を落とす例外のほうが面子落としのケースよりは多い。

以上のことから、手牌を構成する集合体内の優先順位は、孤立牌<<ターツ<<<唯一の頭<<<面子である。

※不等号の数の目安
 <<< ほぼ完全な上位互換が成り立つ。
  << 基本的に上位互換が成り立つ。逆転するケースもあり得るが条件は限られる。
   < 差があるといっても微差の場合。もしくは有意差はあるが手牌の他の形や河の状況で逆転することも多い場合。

孤立牌同士の比較

  • 字牌(客風)<1・9<<2・8<<3〜7<<<3445や3456の形(リャンメンを作る牌が4種)

赤ドラを考慮すれば、3・7<4・5・6。4・6は赤引きでリャンメンができ、5は内カンチャンを作りやすいというメリットがある。

手役や仕掛けを考慮した場合、役牌トイツはリャンメンかそれ以上の強さ。孤立1・9からはリャンメンができない、一方孤立2・8からはリャンメンができ、有効牌の量に差があるので、基本的に1・9<孤立役牌<2・8。ただ、これは他の形によって逆転することが多い(メンゼンでの和了が難しい手であればあるほど孤立役牌の価値が高くなる)。

単独ターツ同士の比較

  • ペンチャン<<外カンチャン<<内カンチャン<<<リャンメン

赤ドラを考慮すれば、内カンチャンは35・57<46外カンチャンは13・79<24・68。テンパイ時の待ちは端にかかったほうが和了しやすいので赤無しなら逆になる。

赤ドラを考慮すれば、リャンメンは23・78<45・56<34・67赤なしなら待ちの強さで45・56<34・67<23・78

外カンチャン以上のターツは3〜7を含むので孤立3〜7の上位互換、ペンチャンは2・8を含むので孤立2・8の上位互換が成り立つが、ペンチャンと孤立3〜7間には成立しない。この為部分的な比較は難しいが、基本的に、3〜7<ペンチャンと考える。(12巡以内までの面子構成しやすさがペンチャン有利であり、1局あたりのツモが17〜18巡しかない為、序盤であっても早い巡目内での面子構成しやすさを優先したいので。ただこれは他の形や河の状況によって変化することが多い。)

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