複合ターツの基本形には以下のものがある。
リャンカン以外のターツはトイツ含みなので、他に雀頭がなければ複合ターツとしては働かない。
但し、他に頭がない場合でも、のような形は、愚形ターツの部分のどこかが頭になるとリャンメントイツが残るので、この場合の孤立は単なる孤立よりかなり強い。愚形ターツが一つ(例えば)とあるだけでに加え・引きでリャンメン変化。・引きで一面子できるので、やのような形と同じくらいの強さがある。一方のような愚形含みにはそのような変化がない。を引いたときに一面子もしくは+の形でできるというメリットがあるので単なる孤立より若干強い程度。
愚形含みの受け入れは8枚(トイツ含みは一方の単独トイツが刻子化する2枚も含む)とリャンメンと同等だが、待ちとして残った場合は愚形になるのでやはりリャンメンに劣る。
同位の複合ターツ内での比較は単独ターツ同様、愚形含みは基本的に中央に近いものほど変化が多く強い。(とのようなトイツ部分が外側か内側かの差があるものの比較は他の形によるところが大きいので微妙。(から打か打のような場合)、引きのときの雀頭+リャンメンになるかのリャンメンターツの差があるので、他の面子候補が十分でここで一面子見込めば良い場合は、一面子一雀頭見込むことを考えたい場合はか。)
リャンメンターツ内での比較は、赤受けを考慮すれば233・223<445<455<334・344。赤なしなら待ちになったときの強さで445・455<334・344<223・233。
複合ターツ同士の比較をする場合は、孤立牌同士やターツ同士を比較する場合と異なって全て外すのではなく、複合ターツから1枚外すことになる。よって、最終的な待ちが良くなりやすいように、強いほうから1枚外すのが原則である。
但し、トイツ含みの複合ターツの形は他にトイツがなければ複合ターツとして扱うことができないので、トイツ含みの複合ターツが2種の場合は2トイツ形を維持するようにしなければならないことに注意。トイツ含みの複合ターツから1枚外す場合は、ターツに固定するケースと頭に固定するケースがある。どちらが有利であるかは形による。その例を以下に挙げる。
愚形含みの方を雀頭固定。共にリャンメンターツの場合はリャンメン受けを残したいほうを残してもう一方を頭固定。形に差が無ければ後は河次第。
複合ターツ1つのみ(残りは単独トイツ)なら、複合ターツを単独ターツに固定。
リャンメントイツがあればそれをリャンメン固定。愚形含み同士ならリャンメン変化が多い方を単独ターツに固定が原則。但し、のように、単独トイツがリャンメンに変化しやすく、複合ターツのリャンメン変化が乏しい場合は、一旦打として3トイツ形を残し、・引きでより良い2トイツ形の変化を見るのが有力か。単独トイツがのように更にリャンメン変化し易いなら尚更。
全部ペンチャントイツかカンチャントイツの場合、リャンメン変化に乏しい複合ターツを頭固定した方が、単独ターツに固定する場合より受け入れが2枚減るが、複合ターツが面子化した場合に余剰牌が出ないので、テンパイに近い段階における受け入れ枚数を重視した方が良いことからこちらが有利。
リャンメントイツが1つならそこをリャンメン固定。リャンメントイツ2つなら愚形含みを頭固定が若干有利(3トイツ形が残るが、1シャンテンになったときの受けが広いので例外的に残す)。全部リャンメンターツはリャンメン固定、頭固定共に大差無し(よって河や赤受けの残りやすさで決める)。
リャンカンとリャンメントイツとならもちろんリャンメントイツをリャンメン固定。リャンカン同士なら、があれば赤受けを残して打、があれば待ちが残ったときにスジ引っかけとなって和了しやすい打が有力。(と同士は微妙。からを引いてのリャンメン化、赤受け、引っ掛けの可能性全てを残す打が有力か。)
リャンカンとペンチャン、カンチャントイツ同士との比較は微妙。3トイツ形ならリャンメン変化しやすいカンチャントイツをカンチャン固定で良い。上記のようなリャンカンをカンチャンに固定するメリットもあるが、カンチャントイツや単独トイツがリャンメン変化した場合にリャンメン+リャンカンとなりリャンカンをカンチャン固定にした場合よりリャンメン待ちが残りやすい。1シャンテンなら変化するより先にテンパイすることが多いので上記のメリット優先。それ以前ならリャンメン変化優先か。
複合ターツをターツ固定するのと頭固定するのとどちらがリャンメン変化が多いかは牌効率論4の単独ターツとトイツとの比較と同じ手法が使える。但し、カンチャントイツを頭固定した場合のリャンメン変化が実質1種減っていることに注意。(からを切ると引きがフリテンになるので。)
参考文献:初中級者のための麻雀何切る問題集 「スリーヘッド最弱理論」
打姫!オバカミーコ11巻より
(1)ドラ
→打(2) ドラ
→打(3) ドラ
→打(4) ドラ
→打(5) ドラ
→打ミーコの打牌
(1)「この地味な局面でもスキなくさばきます!」打
(2)(つぼみちゃん打)ミーコ「ブブーー!正解はでしたっ!」
(3)つぼみ「ハイッ!」打
ミーコ「ブビー!切りが正解!!つぼみ6割の方!」(1)(2)(3)
ミーコの「スリーヘッド最弱理論」は、スリーヘッド(3トイツ)の形にすると、直接の受け入れが減るので2トイツにしたほうがいいという理論である。確かに、(1)で打なら打より2枚受入れが多い。しかし、ミーコは大事なことを見落としている。打とすると、ツモのときに余剰牌が出てしまうのである。余剰牌が出ると、1シャンテンの受け入れが4枚減る。2シャンテンの受け入れを2枚増やして1シャンテンの受け入れを4枚減らしているのだから、これは明らかに損である。(2)も同様で、打とするとツモで余剰牌が出てしまう。
(3)は3トイツを嫌う打 で良い。違いはどこにあるかというと、(3)なら打としても余剰牌が出る変化がない。残った2トイツにフォロー牌が1枚しかないためである。2トイツにフォロー牌が2枚(のような形)だと、どっちかがメンツになったときもう一方のフォロー牌が余剰牌になる。2トイツには1フォロー牌。3トイツには2フォロー牌。が牌効率の手筋だ。(4)(5)
鳴きを視野に入れる手ならどうだろうか。鳴きを考えた場合、トイツの受け入れ2枚はカンチャンの受け入れ4枚とほぼ同じだけの価値がある。ポンは3人からできるためツモも合わせて4倍速。チーは上家からしかできないためツモと合わせて2倍速。よって2枚×4と4枚×2と考えれば大体一緒だ(本当はそんなに単純ではないが)。そうなると、カンチャンを残すのが正解になるパターンはほとんどない。トイツは頭にもなれるため、トイツを残しておけば絶対に余剰牌は出ないためである。したがって、(4)(5)が正解。
(5)はマンガンを和了らないといけないというような条件ならドラを使う打もあるが、通常の点棒状況ならスピードを犠牲にしすぎるため良くないだろう。