複合ターツ1

複合ターツの基本形

複合ターツの基本形には以下のものがある。

辺張対子(ペンチャン・トイツ)
一一二 一二二
嵌張対子(カンチャン・トイツ)
一一三 一三三 二二四 二四四 三三五 三五五 四四六
両嵌張(リャンカンチャン)(両嵌(リャンカン))
一三五 二四六 三五七 (ここまでが愚形含み)
両面対子(リャンメン・トイツ)
二二三 二三三 三三四 三四四 四四五 四五五

複合ターツの基本形同士の比較

リャンカン以外のターツはトイツ含みなので、他に雀頭がなければ複合ターツとしては働かない。

但し、他に頭がない場合でも、二二三のような形は、愚形ターツの部分のどこかが頭になるとリャンメントイツが残るので、この場合の孤立三は単なる孤立三よりかなり強い。愚形ターツが一つ(例えば(7)(9))とあるだけで二に加え(7)(9)引きでリャンメン変化。一四引きで一面子できるので、34453456のような形と同じくらいの強さがある。一方二二四のような愚形含みにはそのような変化がない。三を引いたときに一面子もしくは二二三四の形でできるというメリットがあるので単なる孤立四より若干強い程度。

愚形含みの受け入れは8枚(トイツ含みは一方の単独トイツが刻子化する2枚も含む)とリャンメンと同等だが、待ちとして残った場合は愚形になるのでやはりリャンメンに劣る。

同位の複合ターツ内での比較は単独ターツ同様、愚形含みは基本的に中央に近いものほど変化が多く強い。(二二四二四四のようなトイツ部分が外側か内側かの差があるものの比較は他の形によるところが大きいので微妙。(二二四四から打二か打四のような場合)、五引きのとき二二四五の雀頭+リャンメンになるか四四五のリャンメンターツの差があるので、他の面子候補が十分でここで一面子見込めば良い場合は二四四、一面子一雀頭見込むことを考えたい場合は二二四か。)

リャンメンターツ内での比較は、赤受けを考慮すれば233・223<445<455<334・344赤なしなら待ちになったときの強さで445・455<334・344<223・233

複合ターツ同士の比較をする場合は、孤立牌同士やターツ同士を比較する場合と異なって全て外すのではなく、複合ターツから1枚外すことになる。よって、最終的な待ちが良くなりやすいように、強いほうから1枚外すのが原則である。

但し、トイツ含みの複合ターツの形は他にトイツがなければ複合ターツとして扱うことができないので、トイツ含みの複合ターツが2種の場合は2トイツ形を維持するようにしなければならないことに注意。トイツ含みの複合ターツから1枚外す場合は、ターツに固定するケースと頭に固定するケースがある。どちらが有利であるかは形による。その例を以下に挙げる。

トイツ2組の場合

愚形含みの方を雀頭固定。共にリャンメンターツの場合はリャンメン受けを残したいほうを残してもう一方を頭固定。形に差が無ければ後は河次第。

トイツ3組の場合

複合ターツ1組

複合ターツ1つのみ(残りは単独トイツ)なら、複合ターツを単独ターツに固定

複合ターツ2組

リャンメントイツがあればそれをリャンメン固定。愚形含み同士ならリャンメン変化が多い方を単独ターツに固定が原則。但し、一一二(6)(6)799のように、単独トイツがリャンメンに変化しやすく、複合ターツのリャンメン変化が乏しい場合は、一旦打二として3トイツ形を残し、(5)(7)引きでより良い2トイツ形の変化を見るのが有力か。単独トイツが(3)(3)(4)(5)(6)のように更にリャンメン変化し易いなら尚更。

複合ターツ3組

全部ペンチャントイツかカンチャントイツの場合、リャンメン変化に乏しい複合ターツを頭固定した方が、単独ターツに固定する場合より受け入れが2枚減るが、複合ターツが面子化した場合に余剰牌が出ないので、テンパイに近い段階における受け入れ枚数を重視した方が良いことからこちらが有利。

リャンメントイツが1つならそこをリャンメン固定。リャンメントイツ2つなら愚形含みを頭固定が若干有利(3トイツ形が残るが、1シャンテンになったときの受けが広いので例外的に残す)。全部リャンメンターツはリャンメン固定、頭固定共に大差無し(よって河や赤受けの残りやすさで決める)。

リャンカンとリャンメントイツとならもちろんリャンメントイツをリャンメン固定。リャンカン同士なら、二四六があれば赤受けを残して打二(1)(3)(5)があれば待ちが残ったときにスジ引っかけとなって和了しやすい打(5)が有力。(二四六(1)(3)(5)同士は微妙。二四六から七を引いてのリャンメン化、赤受け、引っ掛けの可能性全てを残す打二が有力か。)

リャンカンとペンチャン、カンチャントイツ同士との比較は微妙。3トイツ形ならリャンメン変化しやすいカンチャントイツをカンチャン固定で良い。上記のようなリャンカンをカンチャンに固定するメリットもあるが、カンチャントイツや単独トイツがリャンメン変化した場合にリャンメン+リャンカンとなりリャンカンをカンチャン固定にした場合よりリャンメン待ちが残りやすい。1シャンテンなら変化するより先にテンパイすることが多いので上記のメリット優先。それ以前ならリャンメン変化優先か。

複合ターツをターツ固定するのと頭固定するのとどちらがリャンメン変化が多いかは牌効率論4の単独ターツとトイツとの比較と同じ手法が使える。但し、カンチャントイツを頭固定した場合のリャンメン変化が実質1種減っていることに注意。(557から7を切ると6引きがフリテンになるので。)

参考文献:初中級者のための麻雀何切る問題集 「スリーヘッド最弱理論

打姫!オバカミーコ11巻より

(1)ドラ九
一二三七八(3)(5)(5)122688 →打1

(2) ドラ(4)
一二二五五七(2)(3)(6)(6)(8)789 →打一

(3) ドラ北
四四六(2)(2)(4)135789北北 →打四

(4) ドラ中
二四四七八九(1)(1)(3)(5)45中中 →打(5)

(5) ドラ(2)
三四六八八(2)(4)(4)(5)(6)(7)355 →打六

ミーコの打牌
(1)「この地味な局面でもスキなくさばきます!」打(5)
(2)(つぼみちゃん打一)ミーコ「ブブーー!正解は五でしたっ!」
(3)つぼみ「ハイッ!」打1
ミーコ「ブビー!四切りが正解!!つぼみ6割の方!

(1)(2)(3)
  ミーコの「スリーヘッド最弱理論」は、スリーヘッド(3トイツ)の形にすると、直接の受け入れが減るので2トイツにしたほうがいいという理論である。確かに、(1)で打(5)なら打1より2枚受入れが多い。しかし、ミーコは大事なことを見落としている。打(5)とすると、2378ツモのときに余剰牌が出てしまうのである。余剰牌が出ると、1シャンテンの受け入れが4枚減る。2シャンテンの受け入れを2枚増やして1シャンテンの受け入れを4枚減らしているのだから、これは明らかに損である。(2)も同様で、打五とすると二三(6)(7)ツモで余剰牌が出てしまう。
 (3)は3トイツを嫌う打 四で良い。違いはどこにあるかというと、(3)なら打四としても余剰牌が出る変化がない。残った2トイツにフォロー牌が1枚しかないためである。2トイツにフォロー牌が2枚(122688のような形)だと、どっちかがメンツになったときもう一方のフォロー牌が余剰牌になる。2トイツには1フォロー牌。3トイツには2フォロー牌。が牌効率の手筋だ。

(4)(5)
 鳴きを視野に入れる手ならどうだろうか。鳴きを考えた場合、トイツの受け入れ2枚はカンチャンの受け入れ4枚とほぼ同じだけの価値がある。ポンは3人からできるためツモも合わせて4倍速。チーは上家からしかできないためツモと合わせて2倍速。よって2枚×4と4枚×2と考えれば大体一緒だ(本当はそんなに単純ではないが)。そうなると、カンチャンを残すのが正解になるパターンはほとんどない。トイツは頭にもなれるため、トイツを残しておけば絶対に余剰牌は出ないためである。したがって、(4)(5)(5)六が正解。
 (5)はマンガンを和了らないといけないというような条件ならドラを使う打(7)もあるが、通常の点棒状況ならスピードを犠牲にしすぎるため良くないだろう。

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