手変わり待ち判断

テンパイしてから手変わりを待つことは、一旦遠回りをすることになるので基本的に損です。より良い変化を目指すことは、多くの場合変化の多いテンパイ以前にやるべきなのです。(このあたりは牌効率論応用編参照。)

その為、テンパイから手変わりを待ったほうが良くなるためには、かなり種類が多くなければなりません。

どの程度必要かは『科学する麻雀』のシミュレーションの結果を参照しますが、実戦では手変わりを待っている段階で他家に先行されるケースもあるので、手変わりの条件はやや厳しめに見込みます。

手変わりの条件

  • 序盤(4巡目):得点2倍の手変わり6種、良形変化の手変わり9種。(2種で4枚になる場合等は2種合わせて1種と数える。)
  • 中盤(7巡目):それぞれ7種11種
  • 中盤(10巡目):それぞれ9種11種
  • 終盤(13巡目):手変わりを待つべき牌姿が存在しない。(後にも述べますが、この時点でのみ手愚形や特に待ちの悪いテンパイをした場合は、リーチせずに形式テンパイ本線で進めたほうが賢明です。)

テンパイ維持したまま手変わりを待つ場合は、和了牌そのものも手変わりに含める。(ただ、多くの場合テンパイを崩したほうが手変わりの種類は多くなる。)

実際は得点2倍かつ良形変化、ピンフがつく場合(得点微増かつ良形変化)、得点が2倍を超える変化もあるので誤差が出ますが、まずは手変わりの量を数え、次に手変わりの質を見て判断するのが良いです。得点2倍の手変わりの場合に必要な量に満たないのに手変わりを待った方が良いことはほとんどないので、この方法でほぼ対処が可能です。

では、どのような牌姿の時に手変わりを待つのが有利になるでしょうか、そのパターン化を試みます。

手変わりを待つパターン

A 連続形×2型

連続形(三四四五三四五六)が一つあれば、それだけで良形変化が4種存在することになるので、2つあれば8種手変わりが存在することになります。

例:ドラ北
四五六七九(2)(3)(4)(5)22678 →打九
これは打点上昇率も高いので、中盤までは手変わりを待つべきです。678789だと、打点増加がピンフがつくだけなので、中盤ならもうリーチします。678999なら、良形変化だけなので序盤でもリーチです。

B 連続形+孤立浮き牌型で、孤立牌がドラや手役絡みの場合

この形だと良形変化は5〜6種しか見込めませんが、孤立牌にくっついて愚形テンパイになっても打点増加の手変わりになるので、手変わりの条件を満たすケースが出てきます。特に、3〜7の孤立牌ドラや、タンヤオがつく4〜6の孤立牌はそれだけで手変わりが5種あることになります。

例:ドラ北
一二三(3)(5)(6)(7)(8)11r5789 →打(3)

例:ドラ北
一二三(1)(2)(3)(5)(5)(6)(7)(8)33西 →打西ダマ
若干異なる形だが、3が三色目の孤立牌として解釈できる。

C 単騎型

多面待ちやアガリやすい単騎等、特に手変わりの多い形です。既にそれなりに良い単騎待ちであれば、手変わりの種類も減るので、そのまま即リーしてしまうのが良いでしょう。

例:七対子 字牌、スジや壁、ドラ、山に居そうな牌

例:ドラ北
二四(4)(4)(4)(6)(7)(8)123456 →打二

D 自在喰い仕掛け型

喰い仕掛けが効く場合(既に仕掛けていて打点減少しない時等)は、実質手変わりの種類が増えたことになります。特に、テンパイ崩しで一色手に移行できる場合有力になります。

例:ドラ北
五六七八九九(1)(2) ポン一曲一一 ポン曲白白白 →(1)(2)落とし

E 種類は少ないが、打点増加が著しい場合

上で挙げた手変わりを待つかどうかの判断が適用できない場合ですが、このケースはパターンも少なく、特に手変わりを待ちたくなる形なので、特別意識して覚えなくて良いです。

例:一一一二二二五七八九九九(6)(7) →(6)(7)落とし

例:一二三(1)(1)(2)(3)(7)(8)(9)3599 →打5

例:一一一(2)(2)(3)(4)(4)(9)(9)333西 →打西ダマ
(2)(3)(3)(4)(4)(2)(3)(4)(4)(4)はもう即リーで良い。

例外的な手変わり待ち

テンパイしている状態から手変わりを待つことが有力なケースは少なく、テンパイを取るなら即リー、手変わりを待つなら最大限手変わりするように打つのが原則だが例外もある。既に形テンでも良しとする巡目の場合や、テンパイ取りが最も手変わりしやすい場合(単騎テンパイ等)や、役有りで打点十分(子であれば5,200点以上)かつ手変わりがある手をダマにする場合は言うまでもないが、これに当てはまらないケースもいくつか存在する。

役有りかつ打点十分を満たさず、テンパイ外しの方が変化が多いがテンパイ取りダマとするケース

出典:日本麻雀機構 「何切るクイズVol.1」
東1局 東家 7巡目 ドラ八
三四五六八(4)(5)(5)(6)3456 ツモ(5) →打3ダマ

八としてテンパイを外すのが最も手変わりが多くなりますが、八がドラなので、テンパイに取る3ダマとしての六八九の手変わりと七での和了の方が、打八としての123457の手変わりより強いとみる。ここでの七和了も言わば一種の手変わりである。打点こそ3,900点か2,000点オールと不十分であるが、既に和了しているのであるから打点の変わらないどんな良形変化より強い。他家三人からの出上がりも利くので、強い手変わり4種程度に相当するので、テンパイを外すほどではない。ドラ八でなければマンズの手変わりの質自体も落ちるので原則通り打八で良い。

西家 5巡目 ドラ三
一二三三四r五六(5)(5)34566 →打六ダマ

6としての一二四五七2457ツモと、打六としての四(タンヤオ変化)・(3)(4)(5)(6)24567ツモの比較。出上がりできないとはいえ(5)6の満貫ツモも大きいので後者有利。

テンパイ外しだとなくなる有力な変化が取りダマ側にあり、アガリ逃しのデメリットも大きい場合はテンパイ取りダマが有効になるケースが出てくると言える。

テンパイ取りダマの方が変化が多いがテンパイを外すケース

ドラ5
一二三三四五五六七(3)(4)345 →打三

変化が最も多いのは単騎の仮テンに受ける手であるが、打三としても一二四五七八(2)(5)でリャンメンテンパイになり、しかもタンヤオや三色があるので打点面でも有利。打一とすればタンヤオ確定だが4枚少なく、一ツモの高目三色がなくなるので打点面でも有利とはいえない。

二つの3面受け(この場合は一四七二五八)が残り、打点面(タンヤオ、三色)で単騎の仮テンに勝る場合はテンパイ外しの方が有力になると言える。

三四五五六七七八九(1)(2)(3)78 →打78

七としてもピンフどまりなので打7か打8でよい。

二三四四五六(3)(4)(4)(5)(5)(6)45 →打45

素直にテンパイ取りで良いが、どうしても満貫以上が必要なら打四とする手がある。

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