テンパイしてから手変わりを待つことは、一旦遠回りをすることになるので基本的に損です。より良い変化を目指すことは、多くの場合変化の多いテンパイ以前にやるべきなのです。(このあたりは牌効率論応用編参照。)
その為、テンパイから手変わりを待ったほうが良くなるためには、かなり種類が多くなければなりません。
どの程度必要かは『科学する麻雀』のシミュレーションの結果を参照しますが、実戦では手変わりを待っている段階で他家に先行されるケースもあるので、手変わりの条件はやや厳しめに見込みます。
テンパイ維持したまま手変わりを待つ場合は、和了牌そのものも手変わりに含める。(ただ、多くの場合テンパイを崩したほうが手変わりの種類は多くなる。)
実際は得点2倍かつ良形変化、ピンフがつく場合(得点微増かつ良形変化)、得点が2倍を超える変化もあるので誤差が出ますが、まずは手変わりの量を数え、次に手変わりの質を見て判断するのが良いです。得点2倍の手変わりの場合に必要な量に満たないのに手変わりを待った方が良いことはほとんどないので、この方法でほぼ対処が可能です。
では、どのような牌姿の時に手変わりを待つのが有利になるでしょうか、そのパターン化を試みます。
連続形(、)が一つあれば、それだけで良形変化が4種存在することになるので、2つあれば8種手変わりが存在することになります。
例:ドラ
→打
これは打点上昇率も高いので、中盤までは手変わりを待つべきです。がだと、打点増加がピンフがつくだけなので、中盤ならもうリーチします。がなら、良形変化だけなので序盤でもリーチです。
この形だと良形変化は5〜6種しか見込めませんが、孤立牌にくっついて愚形テンパイになっても打点増加の手変わりになるので、手変わりの条件を満たすケースが出てきます。特に、3〜7の孤立牌ドラや、タンヤオがつく4〜6の孤立牌はそれだけで手変わりが5種あることになります。
例:ドラ
→打
例:ドラ
→打ダマ
若干異なる形だが、が三色目の孤立牌として解釈できる。
多面待ちやアガリやすい単騎等、特に手変わりの多い形です。既にそれなりに良い単騎待ちであれば、手変わりの種類も減るので、そのまま即リーしてしまうのが良いでしょう。
例:七対子 字牌、スジや壁、ドラ、山に居そうな牌
例:ドラ
→打
喰い仕掛けが効く場合(既に仕掛けていて打点減少しない時等)は、実質手変わりの種類が増えたことになります。特に、テンパイ崩しで一色手に移行できる場合有力になります。
例:ドラ
ポン ポン →落とし
上で挙げた手変わりを待つかどうかの判断が適用できない場合ですが、このケースはパターンも少なく、特に手変わりを待ちたくなる形なので、特別意識して覚えなくて良いです。
例: →落とし
例: →打
例: →打ダマ
やはもう即リーで良い。
テンパイしている状態から手変わりを待つことが有力なケースは少なく、テンパイを取るなら即リー、手変わりを待つなら最大限手変わりするように打つのが原則だが例外もある。既に形テンでも良しとする巡目の場合や、テンパイ取りが最も手変わりしやすい場合(単騎テンパイ等)や、役有りで打点十分(子であれば5,200点以上)かつ手変わりがある手をダマにする場合は言うまでもないが、これに当てはまらないケースもいくつか存在する。
出典:日本麻雀機構 「何切るクイズVol.1」
東1局 東家 7巡目 ドラ
ツモ →打ダマ
打としてテンパイを外すのが最も手変わりが多くなりますが、がドラなので、テンパイに取るダマとしての・・の手変わりとでの和了の方が、打としての・・・・・の手変わりより強いとみる。ここでの和了も言わば一種の手変わりである。打点こそ3,900点か2,000点オールと不十分であるが、既に和了しているのであるから打点の変わらないどんな良形変化より強い。他家三人からの出上がりも利くので、強い手変わり4種程度に相当するので、テンパイを外すほどではない。ドラでなければマンズの手変わりの質自体も落ちるので原則通り打で良い。
西家 5巡目 ドラ
→打ダマ
打としての・・・・・・・・ツモと、打としての(タンヤオ変化)・・・・・・・・・ツモの比較。出上がりできないとはいえ−の満貫ツモも大きいので後者有利。
テンパイ外しだとなくなる有力な変化が取りダマ側にあり、アガリ逃しのデメリットも大きい場合はテンパイ取りダマが有効になるケースが出てくると言える。
ドラ
→打
変化が最も多いのは単騎の仮テンに受ける手であるが、打としても・・・・・・・でリャンメンテンパイになり、しかもタンヤオや三色があるので打点面でも有利。打とすればタンヤオ確定だが4枚少なく、ツモの高目三色がなくなるので打点面でも有利とはいえない。
二つの3面受け(この場合は−−と−−)が残り、打点面(タンヤオ、三色)で単騎の仮テンに勝る場合はテンパイ外しの方が有力になると言える。
→打か
打としてもピンフどまりなので打か打でよい。
→打か
素直にテンパイ取りで良いが、どうしても満貫以上が必要なら打とする手がある。