テンパイ時の対応

相手のリーチに対して自分もテンパイしている場合、押し引きの基準はどの辺りにあるでしょうか。

前提条件

まず以下のように条件を置きます。

  • 一発裏あり、赤3枚祝儀なし。(リーチ和了点子約7,000点、親9,800点。)
  • 自分がメンゼンでテンパイしていて押す場合は追っかけリーチをする。(リーチの現物待ち等の理由がない限り、ダマにするよりリーチした方がいい為、リーチ相手にダマにする例については後述。)
  • ベタオリすれば確実に放銃を回避できる。(目安として、安牌(この場合は安全度Bランク程度の牌まで)が中盤までなら3枚、終盤なら2枚あればリーチ相手にほぼオリることができる。)
  • 危険度の目安は、
    • 序盤(4巡目程度)のFランク牌、中盤(7巡目程度)のEランク牌、終盤(12巡目程度)のDランク牌が危険度5%程度。
    • 終盤のEランク牌、中盤のFランク牌が危険度10%程度である。(現物が多く出ていれば出てるほど、危険牌の危険度は上がる。)
  • ベタオリ時の被ツモ率、流局率、攻めたときの和了率、放銃率、被ツモ率、流局率は『科学する麻雀』のデータに準拠する。(打ち手の特性や場の状況によって変化すると考えられれば適宜値を変更して計算すれば良い。)
  • 流局罰符、場のリーチ棒が回収される影響は考慮しない。(流局罰符を考慮すれば、終盤押すかどうか微妙な場合は押したほうが若干有利になると考えられる。)

相手が子の場合

自分が親

  • 良形テンパイであれば
    • 常に押してよい。(連荘や流局罰符も考慮すれば尚更。)
    • オリるのは親は流れても良いので高い失点は回避したい局面や、特に危険度の高い牌を引いた場合ぐらい。
  • 愚形テンパイであれば
    • 終盤(12巡目程度)で
      • 危険度10%(Eランク)の牌を切って攻める場合は、リーチして3,900点以上。
      • 危険度5%(Dランク)の牌を切って攻める場合は、仕掛けて2,900点以上。
    • 中盤(7巡目程度)で
      • 危険度10%(Fランク)の牌を切って攻める場合は、仕掛けて3,900点以上。
      • 危険度5%(Eランク)の牌を切って攻める場合は、のみ手以外。
    • 序盤(4巡目程度)は全て押す。(のみ手の場合で危険度10%の牌を切るとなると若干不利だが、序盤の段階で切る牌の危険度が10%以上になることは稀。)

自分が子

  • 良形テンパイであれば
    • 終盤(12巡目程度)で
      • 危険度10%(Eランク)の牌を切って攻める場合は、リーチして2,000点以上、仕掛けて2,600点以上。(リーチのみや仕掛けて2,000点は微妙。)
      • 危険度5%(Dランク)の牌を切って攻める場合は、仕掛けてのみ手以外。
    • 中盤(7巡目程度)で
      • 危険度10%(Fランク)の牌を切って攻める場合は仕掛けて2,000点以上。(リーチのみは微妙。)
      • 危険度5%(Eランク)の牌であればほぼ攻めてよい。(仕掛けてのみ手は微妙。)
    • 序盤(4巡目程度)は全押し。
  • 愚形であれば
    • 終盤(12巡目程度)で
      • 危険度10%(Eランク)の牌を切って攻める場合は、リーチして5,200点以上、仕掛けて5,200点以上。
      • 危険度5%(Dランク)の牌を切って攻める場合は、仕掛けて3,900点以上。(リーチして2,600点は微妙。)
    • 中盤(7巡目程度)で
      • 危険度10%(Fランク)の牌を切って攻める場合は、仕掛けて3,900点は微妙。
      • 危険度5%(Eランク)の牌を切って攻める場合は、リーチして2,600点以上。
    • 序盤(4巡目程度)でも基準はほぼ変わらない。(※序盤のリーチはオリ切れない可能性も高いので、テンパイしていればとりあえず攻めて、安牌が増えればオリるという戦略も有効。)

相手が親の場合

  • 良形テンパイであれば
    • 終盤(12巡目程度)で
      • 危険度10%(Eランク)の牌を切って攻める場合は、リーチして2,600点以上、仕掛けて3,900以上。
      • 危険度5%(Dランク)の牌を切って攻める場合は、リーチして2,000点以上、仕掛けて2,600点以上。(仕掛けて2,000点は微妙。)
    • 中盤(7巡目程度)で
      • 危険度10%(Fランク)の牌を切って攻める場合は、リーチして2,000点は微妙。
      • 危険度5%(Eランク)の牌を切って攻める場合は、仕掛けて2,000点以上、リーチのみは微妙。
    • 序盤(4巡目程度)は上記の※部分参照、基準は中盤とほぼ変わらない。
  • 愚形であれば
    • 終盤(12巡目程度)で
      • 危険度10%(Eランク)の牌を切って攻める場合は、満貫以上。
      • 危険度5%(Dランク)の牌を切って攻める場合は、リーチ仕掛け共に5,200点だと微妙。
    • 中盤(7巡目程度)で
      • 危険度10%(Fランク)の牌を切って攻める場合は、5,200点だと微妙。
      • 危険度5%(Eランク)の牌を切って攻める場合は、5,200点以上、仕掛けて3,900点やリーチして2,600点は微妙。
    • 序盤(4巡目程度)も上と同様。

総括

これから判ることは、良形であればほぼ攻めて良いのに対し、愚形であれば結構条件が厳しい(特に相手が親の場合)ということです。先制リーチに比べ失点の可能性が遥かに高くなるので、和了率の高さ(待ちの良さ)が追っかけの場合は特に重要になります。先制テンパイであればリーチして良形2,000点とリーチして愚形5,200点は後者有利でしたが、追っかけでは期待値がほぼ同じになります。順位期待値も考慮すれば(全員原点で和了すれば暫定トップな一方、放銃すれば暫定ラスであるように)、打点が特に必要な局面でなければ他家がテンパイしている場合は打点が半減しても良形を選択した方が有利になると言えます。

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