複合面子(多メンチャン)を含む場合の比較が中心。(3)が全体の受け入れが広いが、(2)は多メンチャンが残り得るというメリットがある。
7巡目(中盤) ドラ
→打
の三面受けを重視していずれかのリャンメン(ここでは打とする)を払った形が固定型で、を切って広く受けた形が流動型です。
打の場合、受け入れは8種28枚、一方打だと・・でテンパイし・・・・でテンパイしなくなるので6種22枚です。8枚は三面待ちになるとはいえ、三面とリャンメンの和了率の差は、リャンメンと愚形の差に比べればかなり小さいもので、(先制中盤でのリャンメンリーチの和了率が60%程度、愚形は40%程度と、リャンメン待ちの時点で十分な和了率がある為、リャンメンより待ちが良くなってもそこまで和了率があがらないのです)単純に受け入れ差で打が有利です。
→打
マンズがならどうでしょう。今度は4面受けで、打だと受け入れは7種24枚、うち8枚は4面待ちになります。先ほどに比べるとかなり微妙な差になりますが、4面受けになる可能性が1/3と低く、なった時の和了率が大幅に上がるわけではないので、これでも切りがやや有利ではないでしょうか。
→リャンメン落とし
マンズがならどうでしょう。今度は5面受けで、打だと受け入れは8種28枚と、打と等しくなりました。この形から固定型を目指すうえで受けが5種減るので、多面受けが5種以上であれば釣り合う計算になるからです。今度は5面待ちの可能性が残る分、いずれかのリャンメンを落とすのが有利になります。(どれを選択するかは、それこそ、場を見て決めることになります。)
→打
ピンズがならどうでしょう、今度は流動型は愚形が残る可能性が出てきます。打で受け入れは7種24枚、うち愚形は4種14枚です。一方打(を引くと先ほどの形と同様になるので打、この変化があるのでを先に切ります)だと受け入れは6種22枚、いずれもリャンメン以上のテンパイになります。
ここで前回、からは切らない、何故なら受け入れはやを切るより受けが3枚多いが、良形テンパイが6枚減るからと書きました。今回は受けが2枚多い一方、良形テンパイは14枚も減っています。前回の形からかを切るのが正着なので、今回のは尚更打有利といえます。マンズが更に良形の場合は言うまでもありません。
→打
ソーズ、ピンズがならどうでしょう。打は受け入れ6種20枚、いずれも愚形、打(、引きがあり、即テンパイした時にカンよりカンの方があがりやすいのでを切ります)なら受け入れ5種18枚、うち4枚は三面受け、残りは愚形です。これも、前回のと比較して(受け入れ37枚→40枚と18枚→20枚はテンパイ確率の上昇度がほぼ同じ一方、今回の形からを切ると良形テンパイの可能性が無くなる)、打が有利と言えます。
→序盤:打、中盤以降:打
ワンズ、ピンズがならどうでしょう。打は受け入れ7種24枚、うち愚形4種14枚。打は受け入れ5種18枚、いずれも良形テンパイになります。これは微妙です。受けが6枚減るとなると、テンパイ速度に結構な差がつくからです。前者は平均約5.5巡でテンパイする一方、後者は平均約7.5巡かかります。特に中盤以降では、この差の影響がより大きくなります。序盤は、中盤以降はというところでしょうか。
→打
ピンズが、のアンコがならどうでしょう。今度は切りで三色(三色にならない場合も良形テンパイ)が見込めます。ここで、中盤の先制リャンメンリーチの和了率が60%、愚形40%程度より、愚形にすることにより打点が倍以上になるなら、愚形にしたほうが有利になります。そして、固定型と流動型の和了率の差が、良形テンパイと愚形テンパイの差ほどにつくことはまずないことも明らかです。(固定型が必ず良形、流動型が必ず愚形になるわけではないから。)よって、一方にだけ打点が倍以上になる受けがある場合は、打点を優先すべきです。一方、既にドラ2以上が確定している等、ほぼ満貫クラス以上の手になる場合は、高めを狙うことによる得点上昇効率が悪いので、速度優先になると言えます。
→打
の形であればどうでしょうか。の場合と直接の受け入れに関してはほぼ同じですが、を残すとマンズ周り(・・・)を引いたときに更に受け入れが増えます。よってこれは打有利と言えます。
ドラ
→打
愚形ターツ×2の場合は愚形を払っても結局良形テンパイしない可能性が高く、この場合は良形になったとしても−待ちの6枚なのでそこまで良くない。(愚形残しでも良形に変化するケースもままあるというのもある。)よってテンパイ枚数最大で、ドラを引いた時に678三色の可能性の残る打。
(3)を選択しても良形確定なら、多メンチャンが余程強くなければ(3)優先。(多メンチャン+面子+単独リャンメン×2の形なら多メンチャンが5種17枚で受け入れ互角、形が変われば若干変動する。)リャンメン待ちであればもう十分な和了率(中盤の先制リャンメンリーチで60%程度、一方、どんな多メンチャンでも100%和了できるわけではない)であることが大きい。
但し、どちらを選んでもそこまで和了率に差が出るわけではない。よって明確な打点差があればそちらを選択する。場に高い色なのでリャンメンターツとはいえそこまで自信が持てず、一方多メンチャンの色が場に安く待ちとして残れば極めて和了易いとみるならリャンメン落としもある。
→打
愚形ターツが1つの場合は(2)を選択すれば良形確定なので大体(2)優先。但し、手役やドラ絡みで愚形が残っても十分な手であったり、愚形ターツが連続形含み(リャンメンに変化しやすくリャンメンになった場合は非常に広くなる)であれば(3)を選ぶケースが増える。もちろん明確な打点差があればそちらを選ぶし、巡目が深いのであればテンパイ枚数重視で(3)を選ぶ。
日本麻雀機構 「第1回 何切る問題」より
東1局 東家 6巡目 ドラ
ツモ →打
最も手広く愚形になっても345三色確定なら十分。・引きはタンヤオの仮テン。引きはテンパイ取らずのツモ切り。
愚形ターツ×2の場合は、強い多メンチャンがあれば(2)、そうでなければ(3)を選択。打点や巡目に関しては上と同じ。